負けっぱなしのDoCoMo

ドコモよ一体どうしたのだ 「反撃」どころか負けっぱなし
http://news.livedoor.com/article/detail/3256824/

…ということで、負けっぱなしのDoCoMo。

私は敗因を分析すると、一番の失敗は「DoCoMo 2.0」だろう。

DoCoMoが反撃と意気込むが、DoCoMo 2.0を打ち出すのが早すぎた。
904iシリーズの魅力の無さが特にひどい。シリーズ共通スペックは2 in 1程度だし、この2 in 1もインパクトが強いわけでもない。

IT系サイトなどのインタビュー記事を見ていると、「DoCoMo 2.0は、料金やサービスなどの全般」であり、「まだまだ発展していく」と言っている。

でも、最初にセンセーショナルなCMを流したのだから、それに負けないくらいの端末・サービス・料金施策が出てこないと期待値が高い分だけ、ガッカリ感が大きくなる。

まさに、904iがそのガッカリ感を演出する格好になったし、CMもイメージに偏重しすぎた。そのCM自体もギャーギャー出演者が騒いでいるだけで、私の頭に残ったのは土屋アンナを
「アナコンダ!?」
と言ったことくらいだろう。

だが、最近のDoCoMoの発表を見ると、他社に引けを取らない内容になってきているのも事実だ。

このブログを細かくチェックしている方はわかるだろうが、DoCoMo 2.0を批判した際に「料金、端末、真新しいサービス」が必要と書き、提言をしている。

料金では、auの家族割やMy割相当のものを発表したが、auが対抗する形で2年利用を条件に料金をいきなり50%引きにするような施策を発表。
DoCoMoも対抗するように、ひとりでも割50などを発表した。

細かく比較するとauとDoCoMoで違いがあるが、2年利用の条件で基本料金を50%引きという点では並んだ。
(※細かな違い…2年利用の途中での解約違約金、無料通話分などが違う)

端末もプレスリリースという形では発表されていないが、905iではナビゲーションが無料になったり、ワンセグ搭載がシリーズスペックになる。ワンセグ搭載はauと同等になるし、GPSナビゲーションの無料化はauよりもお得である。

サービスでは、DoCoMoとauがパソコン向けのデータ通信定額化を出そうとしているし、906iシリーズではHSDPA通信の最大速度を緩和するだろうと言われている。通信速度の点では、WINよりもFOMAのほうが早いので、この点でもauを凌駕している。これは規格の問題なので、auは簡単に追撃できないポイントのはず。

そうすると、次にDoCoMoは、この高速通信を生かして動画コンテンツを携帯で楽しむ…例えばYouTubeとパートナーシップを組んでみる。なんてことはあり得るかもしれない。

着うたがムービーになり、それが楽曲全部になる。さらには、楽曲ムービーさえも定額化するのではないだろうか。

こうなってくると、本当にDoCoMo反撃になると思う。
唯一の弱点は、イメージ戦略だろう。冷静に分析すれば、決してDoCoMoが劣っているわけではないし、新しい料金施策はauと大差がない。せいぜい数百円程度の差だろう。

だが、DoCoMo 2.0のようなきついCMはインパクトは強いが好き嫌いが別れる。
これは、サービスが整った段階で、従来のDoCoMoを破るという印象を与えるのには有効だが、そこから先は、もう少しさわやかであったり、ユーザーが共感できるCMである必要がある。

auの今のお風呂でワンセグを見て涙しているところに、ネイルをしている先輩から頻繁な電話…というのは、ユーザーの共感を誘う。

これは、ワンセグがある端末、それもお風呂でも気軽に見れる楽しさと、いいところで邪魔されるという「あるあるネタ」が共感のポイントだろう。それを最後の字幕でオチをまとめている。

やっぱり、auのCM戦略はうまいな…って私は思う。

では、私がCMを作るならどうするか。

いくつかのフェーズに別れると思う。

最初はDoCoMoが変わったことを訴えるフェーズ。これは、徹底的にブッ飛んだCMでいい。DoCoMo 2.0の最初の勢いくらいは欲しい。

次のフェーズは、新しいサービスで何がどう変わるかをイメージさせるというフェーズ。例えば動画を見るサービス、動画を作って送れるということを示す。ただし、売り場の商品説明ではないから、楽しさと共感がキーワードとして必要。

友達と出かけていて、その様子を動画で撮影。これを何らかの理由で一緒に出かけられなかった共通の別の友達に送る。その友達は、映像を見て思わず微笑んでしまう。
できれば、動画は、ポッキーのCMではじける笑顔を見せてくれた、ガッキーあたりを使ってみたらどうだろうか。
楽しさが伝わってくる映像になると思う。

auっぽくするなら、そこに「オチ」を入れてみる。
この辺はCMを企画する人たちのほうが面白いことを考えてくれるだろう。

次のフェーズは、料金やネットワークの強さという点を訴えかけるフェーズ。
auも「カスタマー・サティスファクション No.1」という言葉でこの点を訴えている。コミカルなCMもやるが、こういうこともしっかりやっている。やっぱり、CM戦略はauはうまい。

いずれにしても、CM戦略がこの先の鍵になると思っている。

ただ、その一方で、法人ユーザーとしてDoCoMoと付き合っていると変わってない部分もよく見える。

仕事が遅い。経過報告がない。

携帯電話の基地局を自社の敷地内に設置するという計画があるのだが、途中2ヶ月近く途中経過もない。

県への申請や他の業務との兼ね合いで遅れることはあると思うが、その間、全く事情説明をしない。

根底にあるのは、やっぱり、DoCoMoは殿様商売、シェア1位にあぐらをかいているとしか思えない。
顧客をきめ細かくフォローしようという姿勢や、特に進展が無くても営業が顔を出して状況を説明したり、そのついでに顧客の「困った」を聞いて、それを集約して持ち帰る。社内でも顧客の声を分析して、それを料金やサービス、端末に反映していくようでないと他社との差は開く一方だろう。

また、DoCoMoがこの携帯電話設置の件で来訪すると、とにかく大人数で困る。
担当営業、ネットワーク担当、よくわからん社員が2~3名、設置業者が数名…となる。

担当営業とネットワーク担当は必要だが、意味もなく変な間合いで割り込んでくる社員とか居なくてもいいんですけど…。設置業者ももちろん必須ですが。

だいたい、落ち目企業って、何かやると無駄に人が来る。
私が付き合っていた頃の日本IBMは、本当に来る人が少なかった。担当SEが1名、ちょっと込み入った作業の時に特定分野のスペシャリストが来る程度だった。だけど、仕事は早くてしっかりしていた。

でも、この前、何かの新聞の記事で読んだが、その日本IBMもやたら、細分化しすぎなのか、人がぞろぞろと来るようになったという。

あー、日本IBMも落ちてるんだな…というのがすぐにわかった。

人が少なくて済むというのは、権限委譲がしっかりされているということ、個の能力が高いから少なくて済むということでもある。

DoCoMoのゾロゾロ体質が終わったら、本当に反撃できる時なのかもしれない。

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