いい年をしてもモノを伝えられない人たち
仕事で様々な利用者と接することがある。
その中には、ちょっと頭大丈夫か?いや、きちんと物事を伝えられない残念な方が案外いる。
先日受け取ったメールはこんなものだ。
(自身が添付ファイルをつけてメールを送信したところ、セキュリティ上の警告が届いた。その警告メールを添付した上で)
このメールが届きましたので、ご報告いたします。
はにゃ?
いや、受け取ったこちらは、「で?」と思う。
例えば私ならこう書くだろう。
(同じく警告メールを添付した上で)
このメールが届きました。なぜ、このメールが届いたのかご教示いただけますでしょうか。
つまり、質問する私は、届いたメールという情報を示しつつ、「なんでこれ届いたの?」を聞きたいわけだ。
他にも考えられることとして、
- このメールがどんな意味を持つのかを問う
- このメールが届いた場合に何をすべきかを聞きたい
- このメールはメールの送信先にも届いているのか
- このメールが届いた場合、先に送ったメールは配送されているのか
…と、いくつか考えられる。
結局は、頻出する問い合わせパターンでとりあえず回答をする。
この手の人は言語能力が足りないから、やり取りを重ねると、とにかく疲れる。簡潔かつ明瞭に物事を伝達することができない。
なので、メールのラリーを減らしたいのだ。こちらは、こういう阿呆を何人も相手をしなくてはいけない。とっとと片付けて解放されたいのだ。
これがメールについての問い合わせだから、「これだからシステム屋は」と思うかもしれない。では、もっとお下品だが、これならどうだろうか。
「ママー!うんこー!」
聞いた側は次のようなことを思うのではないだろうか。
- うんこが出そうだ。トイレに行きたいという意味
- うんこが出てしまった。おむつを替えて欲しい
- うんこを発見した。感嘆を示している
- 他の人(例えば弟や妹)がうんこをしてしまった。
- うんこでトイレが汚れている
などなど。
これが幼い子供なら、こうした可能性を考慮して、うんこと対峙しようと心構えをして、駆け付けるわけだ。
これは子供なら、上手く言葉で表現することもできないし、相手が先に示したようにいくつもの想定ができることを考えつかないから仕方ない。
まだ成長段階、発達途上なのだから、これは大人の側が汲み取る(うんこを汲み取るわけではない。汲み取るのは相手の意図だ)必要があるだろう。
話は先のシチュエーションに戻る。
いい年をして、自分の意図をきちんと伝えられない大人というのは結構いて、こういうメールや発言を聞く。
ああいうメールを書いて寄越す人を見るたびに低能だな…。「ママー!うんこー!」と大差ないレベルなんだなと呆れるのである。
どうか、「ママー!うんこー!」メールから脱却して、きちんとした報告・連絡・相談をしていただきたいものである。
その際、事実は何か、何を質問したい(報告・連絡したい)のか、事実と憶測を混同しないようにお願いしたい。
ひどい内容の場合、メールに傍線を引きながら、
「ここは事実」
「ここは憶測」
「ここは言い訳」
「ここはこちらに依頼したいこと」
と、分析をしなければならない。
システム屋はコンピュータープログラミング言語だけを扱うのではない。
日本語っぽい何かを話すモンスターの言うことを的確に把握し、意図を整理し、その上で最適な対処を考えて実行するのである。
もっとも大事なのは国語能力なのかもしれないと、しばしば思わされるのであった。