戦う気があるなら拳を握れ! 戦う気がないなら立ち塞がるな!
昨日の夕方というよりも夜、さて、そろそろ帰るか…という頃、館内放送が流れた。
「事業所内でアクシデント発生。緊急体制を発動する。」
こうなると、社内的に大忙しである。昨日のダメ人間話にもチラッと書いたが、事故・災害等の場合に動員される人が、この放送と連絡網等によって呼集がかかった場合に集結する。
私は、これを受けて所定の場所に行く。対策本部を側方から支援するチームなのだ。(主に広報・報道的な対外的な対応)
ところが、下に行くと誰もいない。ノー残業デーだから、チームの集合場所になる職場の人が誰もいなく、資機材がどこにあるかすらわからずにいた。
元その職場の人が戻ってきて、資機材の場所がわかってからは、色々な作業に入る。人がいないから、いつもはやらない対策本部への伝令も、イベント時に音響設備等を操作していたことから人が集まる場所の設営をしたり普段と違う役割もマニュアルを参考にし、他業務での知見をフル活用していた。
時間が時間で、集まってきた人も多い。みんな机を探って、お菓子とか少しでも腹を満たすことができるものを探し、数少ないものを皆で分けていた。
私も一度、職場に戻ってエサがないか探っていた。なぜかおもちゃメガネが残っていた。
おもちゃメガネ「終わりそう?」
お前、放送で現況すら流れていないのに、終わるもクソもあるかよ。全く空気の読めない奴である。もうこの時点でイラッとしている。空腹だから余計にイライラする。
我々の役割は側方支援をする側。本部なら情報もあるだろうが、意外とこういう役割は情報が入らないし、場合によってはわざと情報を入れないことがある。
中途半端に知っていると、外部の人に余計なことを話すのを防ぐ意味合いもある。
私「さぁ。こっちは外に出たり、会場設営しているから情報はないし、現況の放送も解散の放送もない以上、それが全てです。みんな腹が減っているから、食べ物を探しに来ました。」
おもちゃメガネ「そこに出張者が持ってきたお土産があるよ。」
と、言って見たが、たったの2個しか余っていない。何個かあれば、持って行ってみんなに分け与えるがそれもできないなら、これを持って行くわけにはいかないだろう。
私「あー、2個か。これじゃあ、持って行けないや。誰かいれば、金は出すからちょっとパシってもらうんだけどな。みんなで分けられるお菓子でも買ってきて、みんなに食べさせるのに。」
こう言う時、不思議なもので妙な連帯感が出るんだよね。自分一人だけ食べようという気にはならなくて、そのチームの中でもいくつかのパートに分かれているから、パート単位、チーム単位で分けようという気になる。
それと、こう言うことで、唯一残っていて暇そうにしている、おもちゃメガネが自らパシりを買って出ることも期待したが…。
おもちゃメガネ「さっき、俺のところにも呼び出しの電話がかかってきたよ。で、俺、行かなくていいよな?」
私(あんた、それ、前任者から申し送りを受けていないのかよ。)
私「電話が来た時に役割があるなら、その場所へ急行する。そうでないなら、『部下が出動しているかもしれないから、その状況を把握していればいい』ということですから、何もする必要はありません。もう帰っても大丈夫ですよ。」
ハッキリ言う。ただ残っていたって何の意味もない。一時的に私の代わりをして食事休憩を取らせるわけでもなく、パシリを買って出てくれるわけでもない。ただ、無駄に残っていて、「まだか?」なんて聞くような奴は邪魔でしかない。神経を逆なでするだけだからね。
タイトルは、とある科学の超電磁砲で御坂美琴が発した言葉である。
戦う気があるなら拳を握れ! 戦う気がないなら立ち塞がるな! 半端な気持ちで人の願い踏みにじってんじゃないわよ!
というのがフルだ。本当にこの言葉をこいつには何度言おうかと思ったよ。役に立たないだけならまだいい。邪魔にはならない(立ち塞がらない)からね。でも、奴は神経を逆なでしてイライラさせる分、何もしない奴よりも悪い。
定年を過ぎて退職した人も、ぽんぽこもこういう事態発生時に、直接・間接的に役に立たないのに、精神論を振りかざして、
ぽんぽこ「(昼食を食べながら)こういう時にのうのうと昼食を食べるとはどういう神経なんだか。」
あんた馬鹿か?お前がのうのうとメシを食っていて、人のことを言えるのかよ。と、思えば、
ぽんぽこ「あ、私は今は社外の人だからね。」
と都合の良い解釈を持ち出す。
俺は別に無関係な奴はちゃんとメシを食えばいいし、さっさと帰ればいいと思っている。その人がそこに無駄にいたところで役にも立たないし、残業代がかかる分害悪でしかない。みんなが一緒に苦しむなんて、実にくだらないと思う。通常業務をしっかり行うのも大事な役割だし、きちんと休養を取った人員がいないと緊急体制の交替人員を確保できない。事態が長引く可能性があるほど、休憩・休養・糧食の確保は戦力の維持と戦力をさらに要する事態の時に必要なのである。
明日は東日本大震災から丸5年になるが、あの時の自粛のくだらなさを思い出せば、私の言っていることはよくわかるだろう。無関係な人までも自粛して沈滞させても仕方がない。稼ぐべきところが稼ぐことも大事な役割なのだから。
緊急対応は引き続いて行われている。私も合間にデスクに戻って、支援物資をチームに持って行く。時間が長くなれば長くなるほど、スマホで時間をつぶしたり、家族と連絡を取る。そうすると、充電が必要になる者も出てくる。充電器具を用意し、「必要な人はどうぞ」と持って行くと喜ばれるのだ。
おもちゃメガネ「さっき、放送があったから、もう少しかな。時間があるから、今のうちにeラーニングやってるよ。」
「あんた馬鹿か?」(フラジャイルの岸京一郎風に)
と、言いたくなるね。あのな、こっちだって、早く終われと思っているんだよ。中途半端にあとこれくらいで終わるかなと思って、それが外れると落胆して、徒労感が増すから、あえてそういうことを考えないようにしているんだ。最前線で働く私のフォローもしないで、イライラさせるようなことを言うんじゃない。目障りだから帰れよ。マジで。
せめて、俺が緊急対応中にパシリでもしてきて、糧食でも用意しているかと思えばそれもねぇし。
すぐに戻って緊急対応に戻る。基本的には待機場での待機と、来訪者の訪問に備えた立番くらいだ。
そうこうしている間に、発生から約4時間経過して、解散の放送が流れる。緊急対応チームも点呼を取り全員が無事あることを確認し解散する。デスクに戻り、パソコンを終了させ、さっさと帰る準備をする。次のバスまで時間があとわずかだから急いでいる。
おもちゃメガネ「お疲れ様。結局、ずーっとeラーニングをやっていたよ。」
私「急がないと次のバスの時間が近いですから。」
うるせーよ。お前、eラーニングをやろうが、何をしようが知るか。いいから話しかけるな。さっさと戸締まりできるように動け。このチンカス野郎が。
時間がない時にお前の無駄話に付き合う気はないし、さっさとドアを施錠するとか、やれることはいくらでもあるだろ。このボケナスが。
私はパソコンをシャットダウンさせ、その間に防寒着をハンガーにかけ、施錠できるドアを施錠して消灯していく。
お前、暇だったら、なぜすぐ帰れるようにドアの戸締まりをしておかないんだ?なぜ、自分が今できることを、できる範囲でやろうとしないんだ?戸締まりの手数を減らそうとかそういうことを考えないのか?
本当にこいつには殺意しかわかなかったよ。マジで。
↑文中では「糧食」という言葉を使ったけど、緊急対応中は軍隊みたいなもの。基本的には指示に従い、こちらから具申する時も了承を得て動くし、統制が取れないと混乱を招くから。ということで、戦闘糧食をレコメンドしておきます(笑)
登場人物紹介
- おもちゃメガネ…一応私の上司。現在、第二期政権(上司)の真っ最中。無駄に声が大きく、しょっちゅうボヤく。
- 死んだ人…私の同僚。なんかゾンビのように居なくなったかと思えば復活する。仕事ぶりは適当で、周囲からの意見を聞かず暴走する。よって、この人が担当すると失敗する案件が多い。
- ※…アトピーなのかいつもボリボリと掻いている。人と話しながらもボリボリ。発表しながらもボリボリ。仕事を溜め込む癖があるのに、何でも首を突っ込んで自分のところに溜め込む。そのうち溜め込みすぎると、具合が悪くなってさらに遅延というのを毎度繰り返す。
- VB… 前政権(前の上司)である。この人も仕事を溜め込む癖がある。また、上司だが、部下に仕事を振らずに自分でやろうとする癖がある。技術的なことが好きでそ ういう仕事は熱心だが、マネージャーとして、交渉したり、部下を指導・育成することには、あまり感心がなく、意思決定を求めると、ウダウダ言っていつまで も意思決定をしない癖がある。
- おそ松…東京の本社から異動。早い話、使えないから追い出され、同じ居室の子会社に出向になった。ボソボソと喋り、いるのかいないのかわからないくらい存在感がない。名前は仕事ぶりがお粗末だから。
- 窓際…いわゆる窓際族。これといって特徴がない。
- マル…子会社の直採用組の中では一番古いせいか、中間管理職的な立ちふるまいをしている。が、話が長い割に要点がまとまっていない上に途中からヒートアップすると、キーキー甲高く大きな声で言い始める癖がある。
- 婿殿…婿入りした人。私よりも年齢はちょっと上だが、入社は後だし、微妙な関係である。
- ぽんぽこ…タヌキオヤジだから、ぽんぽこ。腹もぽんぽこタヌキ状態で、タヌキ寝入り…いや、マジ寝を会議中にする。元上司であるが、今は外部の会社に出向。
- DV…1ヶ月程度の間だけ、私の職場に配属された人。どうも、前の事業所では協力会社の人にパワハラをしたらしいとの噂。そのせいか、すぐに関係会社へ出向となり、この職場を去った。(確かに電話の相手が協力会社の時はネチネチ責め上げる感じだった。)
- じぃじ…部長。お口くちゃい。人事屋あがりの外様システム部長。なんか、ビジネス書に影響を受けやすく、受け売りが多い。
- SKY…無駄に声が大きくて、すぐにヒートアップする。
- ヨロ…子会社のシステム業務のヘッド。我々は頭脳であるならば、子会社は手足となって実務を行っている。
- ぽんぽこ2号…以前の上司である。時々、焼肉をごちそうしてくれる。