誰がやっても同じです
ファイルサーバーというのは、とかくゴミ溜めになりやすい。
物理的な紙束と違って、どんなに使っても自分の空間を侵さないからだ。システム管理者(サーバー管理者;鯖缶)的には、ストレージ残量を見て胃がキリキリとしてくるものだ。
だが、我々には、アーカイブ用のファイルサーバーという謎のものがある。通常のファイルサーバーはバックアップもされるが、容量が小さく、しかも、我々に管理権がない。このため、クオーターをかけることもできないのだ。
※クオーター(ディスク・クオーター)とは、複数の人が使うコンピューターにおいて、ディスクの上限容量を定める仕組みのこと。上限容量を超えると書き込みができなくなる。
そこで、パイプファイルだとかの整理を仕切っている社内部署が、なぜか、データの更新がないものは、アーカイブ用のサーバーに移して、ファイルサーバーを空けよと命じたのだ。それで、このアーカイブ用サーバーなるものができた。このアーカイブ用のサーバーは、半期ごとにファイルサーバーの中身がまるごとコピーされ、数年経つと古いものが消される。
だが、利用者にしてみれば、
- 必要なものだからファイルサーバーに保存している。(故にいらないものなどないっ!)
- バックアップがないから不安(アーカイブ用サーバーはRAID6があるよ~と言ってアピールしているが、それは耐障害性向上であって、誤操作で消したファイルは戻るわけではない。また、災害でサーバー機自体が故障・損壊した場合にもデータは戻らない。)
- 似たようなものが2つあって使い分けがしにくい。
…ということで、あんまり使われていない様子。しばらくすれば、ファイルサーバーはまた満杯になっていく。
そんな我々も、対抗策を取ってくる。
「空き容量があるから使うわけで、だったら、空き容量を無くせばいいじゃない」
というマリー・アントワネットもビックリの発想をしだした。
そう。ファイルサーバーにわざとゴミファイルを置き、ディスクはもうないよ~としているのである。そして、本当のピンチになったら、このゴミファイルを消し、容量が空いたらゴミファイルを増やすという、システム屋とは思えない超アナログな発想の対策をした。
本来はクオーター設定をすべきで、ゴミファイルもバックアップ対象になるから、バックアップ時間やバックアップ媒体を浪費する愚策である。
とはいえ、
「ディスクがない!保存できない!」
となると、問い合わせが殺到してしまう我々にとっては、こうやって回避・コントロールするほうが楽なのである。愚策とわかっていても、そうせざるを得ないのだ。管理権限はないが、利用者からのクレームは来る。手足を縛られたサンドバッグ状態だからね。
そんな状況下で、ファイルサーバーの残りが数GBにまで減ってしまった。
電子掲示板に「ファイルサーバー満杯だから容量減らしてー」という告知をする。
そうしたら、人事の無愛想女が依頼を出してきた。
「ファイルサーバーから、アーカイブ用ファイルサーバーにデータを移したい。以前、自分でやった時に時間がすごくかかったから、お願いしたい。(容量198GB)」
あのな…。
うちらも、結局、コピーするしかねぇんだよ。だって、ファイルサーバーはこっちにないし。
せいぜい普通のコピーをするのか、XCOPYを使うかで大差はない。
しかも、時間がかかるというのは、データセンター上にあるファイルサーバーから、すぐそこにあるアーカイブ用ファイルサーバーにコピーするからであって、ネットワーク(WAN)を超えるから時間がかかる。
こんなもん、貯めこんで一気にやろうとするから悪いんだよ。
で、思わず、目の前の婿殿と二人で、
「自分でやれ!」
と言ってしまった。
まぁ、ユーザー側もとにかく、ディスクもネットワーク帯域も限りある資源ということを、もう少し理解していただきたいな…と思います。
そして、その資源にはお金もかかってます。タダじゃないので、プライベートのクソみたいな写真とか、会議で録音したけど、結局書き起こしをしなかった音声ファイルとか、中身のない話を記録している動画ファイルとか、そういうの、消してくださいね…。(過去にヒヤリングしたら本当にそういうクソファイルありましたので…)
↑鯖(サーバー)の話をしたので鯖缶を…。災害用備蓄にもいかがですか?