人材クラッシャー

先日、夕方になって私の学校の先輩が電話をかけてきた。

先輩 「おう、久しぶり。ところで、聞きたい事があるんだけどさ、○○(システム名)なんだけど・・・。」

話は、こうだ。
システムのデータが、ある日を境に値が変わっていないから異常じゃないか?と。
帳票にも使われているので、調べて欲しいと。

そこで、iさんが居たので聞き、原因箇所を特定できた。
だが、歯切れが悪い。

話を聞くと、このデータは計算によって求められる積算値で、計算を行っているパソコン(計算サーバーと呼んでいる)上で動かしている、Excel VBAの作りが問題だということ。

そのまま話は、そのシステムを取り巻く現状の話になった。

i 「劣化ウラン弾さんは、僕と口を利いてくれないんですよ。」

意外な一言だった。てっきり仲良くやっていたと思っていたが。

i 「どうやら、劣化ウラン弾さんは、私が仕事をしていないと思ったらしくて。」

もちろん、私はiさんがそういう人ではないと思っている。だから、聞いてみた。

電池マン 「でも、ちゃんと仕事はしていたでしょう。なのにどうして?」

どうやらこういうことのようだ。
何か仕事をしようとしても、劣化ウラン弾は「それは、いい。」と言って情報を開示しないというのだ。FA系のシステムなので、製造設備やデータソースについての知識・情報を開示してくれなければ、社員だって理解できない。ましてや、製造設備のことや電気のことを専門にやっていたわけではない人だったら、なおのことだろう。

電池マン 「そりゃ、必要な情報がないんだから、できなくて当然じゃないか。しかも、聞いて断られたんだから、何も非はないよ。」

聞けば、sbtさんも同じように口を利いてもらえないらしいし、同じ部署内では、hsgwさんくらいしか話す人はいないという。
それくらい、劣化ウラン弾は周囲に敵を作っているらしい。

i 「もう私は第二のknysさんになってるよ。」

knysさんとは、請負で入っている業者の人で、以前、そのシステムIを担当していた。だが、劣化ウラン弾がいびり倒すこともあって、当社の仕事から退いた人物である。

話を聞き進めると、無念さや悔しさがにじみ出ていた。
時々、

i 「2年間も仕事をしていて、何もできなかったんだからな・・・。」

と、自分を責めるような発言も見受けられ、直感的にヤバいと感じた。

電池マン 「私も被害者で経験があるし、それで精神的におかしくなってね・・・。でね、随分時間がかかった。そこから脱出するには、「奴は病気なんだ」と思って、「自分は何も悪くないんだ。」と思わないとやっていけない。事実、やるべきことをやっていて何ら問題がないのだから、堂々としていれば大丈夫だと思う。それに、周りの人もちゃんと理解してくれているんだから。」

これは、決して嘘を言っているわけではない。ただ、客観的な事実を述べただけである。
だが、苦悩すると、その客観的事実さえも目に入らなくなるものなのだ。
だから、あえて口に出して、他の人から見た情報を伝える。

私も「何だあの糞野郎!」「この豚野郎!(って、にしおかすみこかよw)」と思えるようになってからは気が楽になった。それまでは、かなり自分を責めていてきつかったから。
この状態に陥って脱出するよりも、陥らないほうが良いのだから。

その後も話は続いた。夕方ということもあって、40分程度は話していただろうか。

事態はさらにこじれそうなのだ。
劣化ウラン弾は10月から、私の部署に異動した。だが、サーバーまで持っていったのだ。

そのシステムの業務は以前の職場が扱うものであって、私の職場の業務ではない。
だから、本来は、サーバーを置いていかなくてはいけない。事実、サーバー資産は前の職場のものである。

この状況に前の職場の上司は、
「保守費用はうちで払うわけにはいかない。」
と態度を硬化させている。

この上司は、責任感も強いし、人当たりのいい人なので、システム維持ということを考えたら、普通はこんなことを言う人ではない。
ただ、劣化ウラン弾の暴挙に業を煮やしたのだろう。

とはいえ、私の職場が、この保守費を払うのもおかしい。
そこで、私はこんなことを言ってみた。

電池マン 「じゃあ、劣化ウラン弾を兼務にして、この仕事をする場合は、前の職場の人間として仕事をすることにすれば問題はないのではないか。」

これなら、仕事を持っても問題はないはず。だが、

i 「人間関係がこじれすぎて、もうそんな方法も使えないんですよ。」

と。それくらい、根が深い問題になってしまっている。
さらに、

i 「あの人、マクロを勝手に変更するからこんなものを作っているんですよ。」

そう言って、ファイルが変更されたのを検知する仕組みを作っていて、それを見せてくれた。
だが、どのファイルが変更されたかを検知するのみで、ファイルの中のどの部分を変更したのかは、ソースコードを全て読んでいくしかないという。

電池マン 「そりゃ、現状把握をしている間に次々と変更されるのはたまらんねぇ。これじゃあ、永遠に工事が終わらないアントニオ・ガウディのサクラダ・ファミリアみたいなもんじゃないか。」

一応、補足しておくが、サクラダ・ファミリアは設計図が次々と変わっているわけではない。

こんな状態の両職場。この両職場が共同で、「コミュニケーション改善」などと言っているのだから、悪い冗談もいいところだ。
こういう害虫を駆除しない限り、コミュニケーション改善などできるわけがないのだ。

そして、常駐派遣や請負契約の担当者を破壊していく。そんな人材クラッシャーがいるのだから、どうにもならない。

確かに、この人物は優秀だと思う。だが、仕事は一人でするものではない。一人の能力など限られている。だから、会社や組織で仕事を進めていく。そこには、チームワークが欠かせない。

結局、この人のパフォーマンスは良くても、他の人のパフォーマンスを悪化させている。部分最適であっても、全体最適ではない。

こういう人は、さっさと消えて欲しい。部署全体の雰囲気を悪くする。

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