緊急地震速報を地震速報と勘違いする人が多数
せっかく、地震の数秒前~1分前に揺れが来ることを知らせてくれる仕組みなのに、減災に生かされていないのは残念な限りです。
この教授の言うとおりで、ラジオは比較的統一化が進んでいるものの、テレビでは警報音がまちまちだったり、文字だけなのか、日本地図込みなのかという画面表示も統一が進んでいません。
ラジオ・テレビともに、報道基準もバラバラでこれもわかりにくさを助長している部分があります。(ラジオの場合、NHKが震度5弱以上、民放局は局により5弱以上、5強以上、6弱以上となっているようです。)
なお、気象庁が一般向け(つまり、テレビやラジオなど)に出す緊急地震速報は、5弱以上となっています。
ただ、この仕組みは全国的に使われだして1年も経っていません。なので、認知度が低いのは仕方ないことだと思います。
地道に地域、学校や企業での防災訓練を通じて体感してもらうことや、各種催し物で消防・防災関連のブースで広報していくこと、報道番組で知らせることも必要ではないでしょうか。また、インターネットユーザーの力を借りてもいいと思います。
報道番組以外ではAC(公共広告機構)などの協力を得てCMを使った広報や政府広報枠を使ってもいいと思います。
この問題と似たようなことで、地上アナログ放送の放送終了の認知率の低さがありました。
Dpa(デジタル放送推進協会)が地上デジタル放送のCMや、番組中でのテロップ、番組の中でアナログ放送終了を伝えるなどの方法により、年月日はともかく、地上アナログ放送が終了することは認知されてきました。
(これはテレビ局の都合があるので、自主的に行っているという側面もあります。)
緊急地震速報も同じように、嫌と言うほど、「これは緊急地震速報だ」ということを広報するしかないでしょう。
一方で、緊急地震速報の有効性や効果に疑問符がついているのも事実です。
だけど、これは、仕組みの問題で誤差や遅れは仕方がないことだと思います。
むしろ、政府は堂々と胸を張って
「国民の人命と財産には替え難い。たとえ、誤差・誤報・遅れの問題があったとしても、それで救われる可能性が少しでもあるなら、緊急地震速報を信じて行動するようにして欲しい。何か起きてから後悔するようでは手遅れだ。」
ぐらい言ってしまってもいいと思います。
国民の人命と財産を守るためには、政府はあらゆる手段を尽くすと言い切ってしまう強さが欲しいですね。
確かに、緊急地震速報を使って、製造ラインを止めたり、列車を止める仕組みができています。
それは経済活動にとってはマイナスだと思います。だから、精度や誤報について批判も起こることでしょう。だからこそ、強い意志が必要だと思うのです。尊い人命を失ったり大きな被害で壊滅的なダメージを受けることは何としても回避したい。と。(とはいえ、化学工業や鉄鋼業のように一度止めると再立ち上げが大変な産業もありますが。これも経営者が従業員の生命をどう考えるかだと思います。)
緊急地震速報のメカニズムも知ってもらって、限界があることも理解してもらう必要があると思います。
緊急地震速報と付き合っていくためにも知識は必要だと思います。
地上デジタルにより、テレビで表示されるまで約2秒のタイムラグがあるという問題もあるようですが、ある信号が流れたら、テレビ受信機で字幕と警報音を出すような仕組みをテレビメーカーに義務付けたらどうだろうか。
既存の流通分は対処できないかもしれないけど、買い替え時には対応できるようになるわけですし。
映像信号を圧縮して電波に乗せて送信し、受信機(テレビ)でそのデータを戻す作業があるために、遅れが出るのであって、最初からテキストベースの文字情報で送信し、それを表示すれば信号を戻す作業がない分、タイムラグを縮められると思うのです。
簡単に言えば、ワンセグつき携帯電話でメールを受信するとテレビ画面の下部にテロップのように「メールを受信しました」と表示される機能を緊急地震速報に応用してみたら良いのではないかと思うのです。
とにかく、いつか来るであろう大きな地震を前に、せっかくの仕組みを生かす方法を模索して欲しいと思います。
また、ブロガーの力が必要だったら、一声かけてみてはどうでしょうか。