踏切あれこれ

東武鉄道の一件で、書ききれなかったので、ちょっと記事を分けてみました。
踏切と言えば、普通の人は、警報音が鳴って、黄色と黒の×印の標識と遮断棒(本当は、遮断棹<しゃだんかん>と言うらしい)があるものと思っていないだろうか。
ところが、そうじゃない踏切も結構ある。
まず、色。黄色と黒がお決まりと思っているが、あまり手入れをしていないのか、元々なのか白い踏切を見たことがある。
あと、遮断棒がない踏切や、赤と白の遮断棒もある。
赤と白の遮断棒はJR東日本が実験的に導入した物で、内房線にあるらしい。今は、実験期間が終わっている可能性があるので、普通の黄色と黒かもしれないが。
遮断棒が元々ない踏切もあるので、渡る際には、やはりしっかりと確認すべきだろう。
また、警報機が故障して鳴らない可能性もあるし、検知器が故障して列車接近が検知できずに警報器が鳴らず遮断棒が下りない可能性もある。遮断棒が車によって折られている場合も結構ある。
先の記事では、内規に従わない保安員を問題視したが、自分の命は自分で守るという考えがあれば、回避できたのである。単純に保安員だけの問題では済まない面もあるのだ。
また、なぜ手動式踏切にしたかという問題もある。
少し前の記事で、「人間は誤りをする生き物である。」ということを書いたかもしれない。人間である限り、程度の大小はともかく間違いは必ず起こす。間違いが起こってはいけない踏切を、なぜ、間違いを起こす人間に頼ったのか。この点もクローズアップする必要があるだろう。
私の仮定だが、おそらく、
 1.自動化が困難だった
 2.開かずの踏切を自動化してしまうと、ずっと閉まりっぱなしになってしまう。
 3.2.の問題を解消するための仕組みを構築するコストと効果をかけて、コストを取ってしまった。
このどれか、または、複数の理由なのかもしれない。
 列車種別によっては、最寄り駅に停車する列車もあるし、通過する列車もある。
 列車種別を判断して、踏切を閉める時間を調節すれば、少しでも、踏切を開けていられる。
 例えば、各駅停車なら、最寄り駅に止まるので、最寄り駅を発車する時に閉鎖すれば済む。しかし、特急などの通過列車なら、その少し前から閉鎖しなければならない。
 これを自動化するには、車両側に列車種別や列車番号を発射させる装置がいるし、地上側には、それを受信する装置がいるだろう。そう考えただけで、結構な金額になりそうだ。(もっとも、専門家ではないので、もう少し安価で確実な方法もあるかもしれないが。)
 あとは、行政の問題。
 開かずの踏切と言えば、去年、中央線の開かずの踏切が話題になった。
 鉄道事業者だけでは、解決しにくい問題に立体交差化がある。
 鉄道事業者だけでは、あまりにも高額すぎるし、建設上の問題も色々ある。
 行政が、立体交差化を真剣に検討していたのか、どうかも、この問題を取り巻く一つの鍵ではないだろうか。
 そう言えば、風の噂で聞いたが、昨日の某テレビ局の番組で、東武鉄道の事故でアホな発言をしたらしい。その内容とは…。
 「電車が踏切で何故徐行しないのか?」
 アホか!
 電車が、踏切のたびに徐行してたら、とんでもなく遅くなるんですけど。
 それに、電車も、踏切の故障や遮断棹が折損している場合には、徐行どころかもっと厳重に安全確保に努めているんですけど。実際に遮断棹折損の場合に、一旦停止して、安全確認をして、警笛を鳴らして徐行で通過という取り扱いの指示を鉄道無線で、実際に乗車していたので、その通りに取り扱っているのを体験したことがある。
 しかも、この列車が通る少し前には、警備員も配置されていて、自動車をきちんと止めていた。
 この辺は鉄道事業者によって、取り扱いは違うかもしれないが、必要があれば、こういう取り扱いもしているのだ。
 こんなことは、たまたま居合わせていないとわからないだろうが、常識で考えても、踏切のたびに徐行したらどうなるかぐらい、容易に想像がつくと思うんですけど。
 ちなみに、鉄道ができた当初は、道路と線路が交差する場合(今で言う踏切)には、鉄道のほうが停止していた。

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