高校野球の連帯責任

昨日、桐生一(群馬)が初戦敗退をした。桐生一は、大会直前に2年生部員による強制わいせつ事件が明らかになり、出場辞退か、出場かという話にもなった。

その時期にこのことを書こうかと思ったが、話題にしてしまうと出場する選手たちにとって、報道だけでもプレッシャーになっているのに、それに追い打ちをかけることになるので避けた。(まー、たかだか弱小ブログの記事なんで、そこまでする必要はないのかもしれないが。)

この問題、liveddoorニュースの世論調査では、次のような結果になっている。

すべての不祥事で連帯責任を負うべき 54.34%

不祥事の内容によっては連帯責任 19.56%

不祥事で連帯責任を負うべきではない 26.08%

世論調査では、過半数が「すべての不祥事で連帯責任を負うべき」と判断しているようだ。

だが、私は、それでいいのか?と疑問を投げかける。そんなに単純な話なのか?と。

ひとつは、1人の部員のために、これまで必死で練習し、勝ち取ってきた出場権を放り出すのがいいことなのかという他の選手の気持ち。

だって、高校生活は留年しなければ、たった3年。その中で夏の甲子園に出場できるかどうかなんて、1回あるかないかというレベルでしょ。

その機会を奪ってしまうのはどうかな…と。もちろん、該当する生徒は罰を受けなくてはいけないから、出場禁止は当然だと思うが。

次に被害者の心情を考えると、連帯責任を取るべきと考えてしまう。飲酒や喫煙なんかも問題だが、飲酒・喫煙の場合は被害者がいない。一方で、今回の強制わいせつ事件は何人もの女性が被害者として存在する。被害者心理を考えると、出場を許して良いのか?と疑問に思うのも理解できる。

もうひとつは、明らかになったタイミングだ。

今回の事件は、発覚が開会直前だった。この時点で出場を辞退すれば、県大会で準優勝だった学校になるだろう。その学校の選手はうれしいだろうが、バスや宿泊の手配、選手たちのスケジュールの調整などなど、色々と問題が起こるのではないか。そう考えると、このタイミングで辞退するのが難しかったのかもしれない。

高校スポーツのうち、野球だけが別格になっている感がある。プロ野球という商業的に成立しているプロスポーツへの登竜門という位置づけもあるために、どうしても、特殊になっていると思うが。

そこで、他の高校スポーツ大会の判断例も参考にして、どこで線を引くのが妥当なのか、冷静に考えて欲しいと思う。

スポーツ大会は教育の一環のはず。教育的にどうあるのが最も生徒のためになるのかということも考えて欲しい。

例えば、今回の場合、被害者から許しを得ているなら出場、そうでないなら辞退という判断軸があっても良かったと思う。被害者が許しているのに、辞退だ出場だと騒ぐのもナンセンスだろう。

ネタ元の記事では、次のように書いている

 事件がすべてを変えた。ナインに一報が入ったのは、すでに大阪入りしていた7月31日のことだった。翌1日に大会出場が認められたが、青柳正志前野球部長(53)が引責辞任。賛否両論が渦巻く中、校名入りのTシャツを着て外出しないように指示が出た。5日には気分転換に大阪城へと出かけたが、周りの視線が気になって落ち着かなかった。ある選手は「人生で一番つらい1週間でした」と漏らした。

「人生で一番つらい1週間」。出るも地獄、辞退は無念。どっちの選択をしても、他の生徒はつらいものなのだ。それがプレイにも出てしまったのかもしれない。動揺するなと言うほうが無理なんだから。辞退か出場かどっちがベストな選択だったのか、正直、私にも結論を出すことができなかった。

桐生一初戦敗退、福田監督「責任取る」辞任へ…全国高校野球選手権
http://news.livedoor.com/article/detail/3767027/

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