悩むなら動け
久しぶりにダメ人間話を。
今、通っている名状しがたい学校のようなところは冬休みに。でも、会社は勤務日なので、会社に出ないと年休になってしまうので、特にやることもないけど会社に出ていました。
古巣のメンツが暇にしているだろうと思って、IMで話しかけた。相手は婿殿。
やり取りしていると、
婿殿「そっちは楽しそうでいいな。こっちはつまらない。」
と言う。隣の芝生は青く見えるとはよく言ったもので、こっちはこっちで実は結構大変なのである。
長時間の通勤(通学)、会社からかかるプレッシャー、授業の内容は高度でグループワークで議論・議論・また議論・成果物作成・発表とまぁ、なかなかハードなものがある。
で、話をよく聞くと、何度も
婿殿「こっちで働くよりは自分の好きなことができるなんて羨ましい。」
的なことを何度も反復する。さすがに、私もイラッとしはじめる。
あなたが思うほど、テクニカルなことばかりしていないし、むしろ、技術以外のビジネス全般に関することも多い。それに、望んで行ったかと言われるとこれも微妙なものがある。
とはいえ、そんなきっかけではあるけど、普通ではできない体験もできるし、人のつながりも増えたし、楽しい部分もたくさんある。もちろん、大変で苦い部分もあるけども。
だが、好きなことばかりできるみたいな言われ方は心外なのだ。
で、やり取りの中で出てきたのが、
婿殿「自分も今いる場所でやりたい仕事を見つけなければ。毎日がつまらないからさ!」
と言う。
私は、仕事がつまらないなら、
- 仕事を楽しく変える
- 楽しい仕事「も」する
- つまらない仕事を止める
あたりの選択肢を考える。
実際に私もその事業所にいた頃、仕事に物足りなさを感じたことはある。でも、違うのは、それを不平不満としては言わなかった。
不平不満として言う前にやれることがあったから。
私の場合は、
- IT系のネットニュースを見る
- その中から面白そうなものをチョイスする。
- 色々調べて勉強してみる。
- 勉強したら実装してみる
- 実装したら、評価してくれそうな人にチラ見せする。
こういうことをやっていった。
今の時代にやったら怒られるけど、まだクライアント管理やらエンドポイントセキュリティなんてものが、甘かった90年代。私は、インターネットというものに大変興味を持っていた。
そこで、自分のクライアントパソコンにhttpdを入れ、Webサーバーにし、htmlを書いてWebページを作ってみた。
後には、Perlを入れ、CGIプログラムを動かし、掲示板とかを設置して、それを他の人にチラ見せした。
個人的な興味もあったけど、社内でこうしたことに詳しい人がいなかった。今風の言い方をすれば、まだブルーオーシャンだった。
この時に、こうしてやっていたことで、私のイメージは
「新しいことが得意そうだ」
「先進的だ」
「とりあえず、何か与えておけば勝手に学ぶだろう」
こういうイメージになった。ある意味狙っていた部分もあるけど、セルフブランディングを無意識にやっていたのだろう。
それから数年後。
Webベースのシステム構築を希望していた隣のチームから声がかかった。
チャンスは黙っていても巡ってくるわけではない。動いて、もがいて、それでも何とかしてきた人に巡ってくるものだと思った。
だから、婿殿には次のことを言った。
- 直接今の仕事に役立つ仕事だけが仕事じゃない。
- 今の仕事の周辺領域を拡大する方法もある。
- 全然関係ないけど、技術を研鑽しておくことでチャンスは巡ってくる。
- 悩んでウジウジしている暇があったら動け!動かない人にはチャンスも転がってこない。
今の仕事の周辺領域を拡大する方法は、入退室管理システムをやっていて、社員証のICカード領域のデータについては理解していた。
これを会社に転がっているFeliCaリーダーと、ネット上に転がっているFeliCaリーダー向けのdllを組み合わせて、ICカードのダンプを取ってみた。
そこから、社員番号は記録されている場所などを特定して、カードリーダーにタッチしたら、社員番号が表示されるアプリを作った。
さらに、これをファイルに記録するようにして、社内イベントの受付機とすれば、誰が受付を済ませたかわかる。
仕事の周辺領域を拡大しつつ、技術力をアピールすることができた。
世の中の最先端を走るのはすごく大変。これは、一流のエンジニアの領域でしょう。でも、会社の中は、周回遅れの部分も少なからずある。あるいは、詳しい人が少ない分野(これもブルーオーシャン)もある。
そうしたところを俯瞰して、どこなら攻められそうか、狙いをつけて勉強する方法もある。
何かベースを作って、そこを起点に他へ領域を広げたり、より深さを増して世間一般にも一目置かれるレベルまで磨く方法もある。
大事なのは、今、悩んでウジウジして立ち止まっているならば、なんでもいいから手を動かせ、頭を使え、そうして周囲の人にアピールしていくことだと思う。
私はそうやって、先進イメージを周囲に与え、その結果、今のような名状しがたい学校的なところに通うようになった。
これは運もある。でも、目の前にチャンスがあっても、
「あいつにやらせてみよう」
と思って推してくれる人がいないとダメなんだよ。最後の数人の候補に残ることすらできないんだよ。
だから、悩んでいるなんて時間の無駄。その時間を使って少しでも勉強をして、他の人との差別化を考えるべきだと私は思う。
もっと言えば、差別化するにあたって、どの分野を強化して、どうアプローチすれば差別化がより効果的に相手に伝わるか戦略まで描けば、より効果的だと思う。