社食のカレーを食えた話

※この話は先日の社食のカレーが食えなかった話の後日談です。

カレーロスの日。夕食にはカレーまんと、SMAP×SMAPコラボの某コンビニのカレーを食べた。

美味いのだが、私が求めていた食べ逃したカレーとは違う。

これはよそ行きのちょっとおすまししたカレーだ。

昨日のランチもカレーだった。だが、昨日のカレーはスパイシーなカレーであった。

週に1度だけ来る、セクシーな服を来た助っ人で他店から来たキャバ嬢のようなものだ。

刺激的で眩しいが、どこか壁がある。そんなカレーであった。

残念ながら、これもまた、求めていたものと違う。

今日も昼がやってきた。

少々仕事が入って、バタバタして、いつものように正午を少し過ぎてから席を立つ。今日は2分程遅い12:10だ。

さすがにこの時間になるとピークを過ぎたのか、どのレーンも行列はまばらである。せいぜい数人いればいい程度だ。

今日はメニューを見なかった。

そう、火曜日に食べることができなかった、カレーに向かう。

こういう時の私は、浮気をしない一途なのだ。

今日は幸いにもカレーはあった。

ここは奮発して、大盛を頼む。

カレーが出てくる。

少し遅い時間だったせいか、やや煮詰まったような、そんな色をしている。だが、これもご愛嬌である。

家庭的なカレーはお母さんのようなもの。

化粧をせず、少々寝ぼけ眼で寝ぐせがついているのもまた、ご愛嬌なのと同じく、少々煮詰まった感じはご愛嬌なのである。

席につく。

今日はおもちゃメガネも不在なので、存分にひとりメシを楽しめる。

口に運ぶと、

(そうそう。この味だ。これが私は欲しかったのだ)

と思わず納得する。

コクがありつつも、決して辛すぎない。誰もが好む人気者の味わいである。

ここで上機嫌になった私は、一気にカレーを食べる勢いを加速する。

(ああ、やっぱりこの味は街中では食べられないな…。)

そう、この包み込むような優しさは、よそ行きで気高い街中のカレーにはない趣がある。

時折、福神漬やラッキョウを挟んで、気分転換をする。

毎日顔を合わせていると、お互いにいるのが当たり前のように思える。時折、違うことをして刺激を与えることで、円満に過ごす家庭のようなものだ。

最後は少しルー多めでフィニッシュする。

まことに美味であった。

カレーは幸せの味であった。

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