尖閣問題

この件、既にあちこちで出ているので、今更な…と思ったが、ちょっと他が書いていないことを書いておきたい。

言うまでも無く、尖閣諸島はわが国の領土である。その周辺で海保に意図的に衝突してきた漁船に対しては、わが国の法律で裁かれるべきだ。

ところが、沖縄地検が処分保留で漁船の船長を釈放した。これに対して、弱腰外交と非難されるのは当然だろう。

ただ、日本も一度は強気に出た場面がある。それも、間違ったタイミングで。

尖閣衝突 馬淵氏、高官の表敬拒否 仙谷氏ら、沈静化に躍起
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100922-00000069-san-pol

※ただし、この件は後に中国側が拒否したとの話もある。真実はどちらか定かではない。

国交相と会談、中国側が拒絶
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100924-00000118-san-pol

もし、日本側が拒否したのであれば、間違ったタイミングだと思った。拒否したい気持ちはわかる。だが、このタイミングで表敬したとすれば、中国側は日本との関係に致命傷を作りたくないとも受け取れるし、このタイミングを使って、中国側の権力者と話をするよう間を取り持ってもらうこともできたはず。

表の顔は「わが国の領土の沖合いで起きたことで、明らかな違法行為であり、わが国の法で裁く」と言う必要はある。当然の主張をすべきだろう。原理原則の通りだ。その一方で、裏でこの緊張状態の解決のために、落としどころを模索する必要もある。

その裏での交渉するタイミングをこの件で失ったと思うのだ。

何よりもこの件で情けないのが、内閣の温度差だと思う。

それぞれに異なる考えがあるのは仕方ないが、それを露呈させてはいけない。こうすれば、相手に弱みを見せることにもなってしまう。意思統一ができていないのだから、動いて揺さぶりをかければ内閣の瓦解も、それぞれが勝手に動くことも考えられる。

私なら、まずこの事態で尖閣に軍艦を配置させる。「ここはわが国の領土であり、そこを侵そうとする者は断固として許さない」「わが国の領土を侵すつもりならば、全力で防衛する」というメッセージだ。警告、威嚇発砲、それでも従わなければ銃撃だろうがミサイルだろうが、現場に一任だろう。

当然、安保5条を認めた米国に対しても支援要請をする。後方支援止まりになるか、最前線まで支援するつもりかは不明だが、こういう時のための同盟のはずだ。

政治メッセージとしては、原理原則を崩さない。ここは一貫していないと、相手に漬け込まれる。

経済ダメージも想定されるが、ここで引いてしまったら、間違いなく次々に無理難題を言ってくる。場合によっては暴動などが想定されるので、渡航注意情報や渡航禁止(在住邦人には帰国指示+チャーター便の準備。ただし領事館職員は駐留させる。)にランクの引き上げも必要。

領事館まで撤退すると、本当に関係悪化しかねない。平和的な交渉をするつもりなら、話す準備があるという意志でもあるんだけど。

これくらいは、即時に動こうぜ…。

少なくとも、軍艦数隻は現場周辺に配置するくらいは、普通の国なら間違いなくやってるぞ。「ここは我々の領土だ」というアピールの意味でもね。

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