小型探査機・はやぶさ、カプセルともに地球へ帰還

はやぶさと、このミッションにかかわった方々にお疲れ様!

はやぶさ 大気圏突入、本体燃え尽きる…カプセル分離成功
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100613-00000028-maip-soci

実は、最近話題になるまで、はやぶさの件は全く知りませんでした。

まずは、7年もの間、探査を続け、こうして地球に無事帰還したことを喜び、心から、はやぶさと、このミッションに関わった方々に「お疲れ様」と「ありがとう」を言いたいです。

ただ、残念だったのは、ネット上では、はやぶさの話題がかなり飛び交っているのに、メディア報道では扱いが小さいですね。

かなり前に、TBSが秋山さんをソユーズに搭乗させた時は連日連夜、ゴールデンタイムに放送していた記憶があります。子供ながらに、「金を払って乗せてもらった」ということと、「その元を取るために放送していること」くらいは理解できてました。

それでもね、宇宙への興味・関心があって、それを私はテレビで見ていて、「すげー」「無重力ってこうなるんだ~」と思ったものです。

金で買ったのは座席ではなく、私は、宇宙への興味・探究心を買ったと思います。それはそれで、私は良いことだと思います。

しょーもないテレビ番組を流すなら、わが国として、初の月より遠い天体に到着して、鉱物等を採取・帰還するという出来事を中継して欲しかった。間つなぎの間に、こういう探査の意義や研究がどう役立つか解説してもいいと思う。

このテレビを見ていた子供たちが、昔の私が感じたように「すげー」「きれいだなー」「ほかの天体ってどんな風になってるんだろう」って思ったら、それは有益だと思う。子供は好奇心の塊なのだから。

理科離れと言われて久しいけど、学校教育だけじゃない、こういう「感じる」こともまた大事な教育だと思うし、そうやって興味を持ったら勉強するでしょ(笑)

しかも、TBSの例と違って、これは国家がやっていることで、メディアは身銭を切ってない。管制室や落下地点近くにカメラとクルーを配置しておけばいいのだから、大した金じゃない。何よりも視聴者は最近の番組に飽き飽きしているのだから、こういうもののほうが数字が取れるような気がする。

——

事業仕分けで、科学技術に対する風当たりが強かった。「2番じゃダメなのか?」とか、アホなことを言い出す者までいる。

でも、少し考えて欲しい。

いくつかの効果があると思う。

1.探査して、試料採取して、地球に帰還できたという事実による、日本の技術力アピール

2.子供たちに科学技術に対する興味・関心を持ってもらうこと。

3.(1.に関連して)衛星打ち上げを他国から委託して稼ぐ→それによる産業振興・経済発展

4.学術面での優位性

とか。

そう考えると、宇宙開発だけでなく、科学技術って本当に「無駄」なんだろうか。

1.はブランディングですよね。日本というブランドを作ること、それを維持することは大事だと思う。(ただし、技術だけでもモノは売れないけど)

2.は、この国が科学技術立国を目指すならば、やはり未来ある子供たちに科学に興味・関心を持ってもらうことは大事なこと。言うなれば未来への”種まき”だと思う。

3.は、技術優位性をアピールできたら、衛星の打ち上げを委託されて、料金をもらえば商売になりますよね。たくさん打ち上げればメンテナンスや製造などが必要になって産業振興もするし、それによる経済効果だってあるはず。(この点は詳しくないので、既にやっているのかもしれないが。)

あと、もっと言うとさ。

やっぱり、こういう出来事って、明るい話題だと思う。この国に一番足りないのは、希望だと思うんだよね。確かに、国家財政の問題、年金(未来への不安)、ワーキングプア、超高齢化社会…問題はたくさんあるのは事実だと思う。もちろん、これらは解決に向けて動かなくてはいけないけどさ。

なんか、みんな下を向いてうつむいているように思えるんだよね。

そんな時代だから、希望が持てるこうした出来事って大事だと思うんだよね。また、2.の未来への種まきも大事で、採算が取れるかわからないことは民間では無理なわけで。だからこそ、国家がやるべきことだと思う。

もちろん、夢や希望だけでは、腹は満たされない。だからこそ、3.のような金を呼び込むことをやっていくことも必要なんじゃないかと思うわけで。

と、理屈っぽい話が続いちゃいましたね。

—–

さて、地球に帰還する前、はやぶさは、姿勢を変えて地球を撮影したそうです。

「はやぶさ」大気圏突入前、地球撮影に挑戦
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100613-OYT1T00056.htm?from=main5

詳細は記事を読んで頂くとして、ざっくりと書くと、「故障もあったはやぶさが、やっと故郷・地球に帰ってくるから、最後にその目(カメラ)で地球を見せてあげたい」という話。

これを読んだらジーンと来ましたね。

ミッションだけなら、そのままの姿勢にすれば成功するはずなのに。そう思わせた関係者の思いを感じ取るとさ。大気圏に突入すると燃えるだろうしね。

これを無駄で片付けて欲しくないな…。多くの人が携わり、多くの人の思いがこもっているのだから。

最後に、同じくヨミウリオンラインから、

「はやぶさ」大気圏突入、60億キロの旅帰還
http://www.yomiuri.co.jp/space/news2/20100613-OYT1T00818.htm

この記事の写真が美しいな。見たら身震いしてきた。大きな流れ星のような。そして、燃えたわけで。最後に役割を果たして倒れたような…。

何とも言い表しにくいのですが、美しいな…と。日本人的なメンタルかもしれないですけどね。パッと最後に美しく散り行く様というか。

でもさ、この光が私は希望の光であると思いたい。

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