うちの会社も年金引き下げ、退職金引き下げと、JALのようなことをしていますから…。

＜日航＞全社員の冬の賞与、全額カット　労組に伝える
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091106-00000122-mai-bus_all

原理原則論で言えば、民間企業なんだし、会社が倒産しそうな状況下でボーナスを悠長に出している場合ではないし、ましてや企業再生支援機構に支援要請をするということは税金が使われるのだから、相応の痛みを受けなくてはならないだろう。

ただ、この問題、どの立場で見るかで意見も変わってくると思う。

先の一文は一国民として、税金を使われる側の立場。一方で、JALの問題が自社に適用されたら･･･と思うと、

うちの会社も大赤字。こんな前例を作られたら、

「じゃあ、うちも全額カットね～♪」

なんてことを言い出しかねない。経営者の無能を一般社員が負担するのは違うだろ。こっちは生活かかってるんだ。

ということもある。

そして、それだけではない。こうした劇薬はその後にもジワジワと効いてくる。

１．従業員の生活が不安定になる。

　大幅カットならまだしも、いきなり全額カットはやりすぎ。JALだって、所詮はサラリーマンなんだから。

　そりゃ、高給取りのパイロットなら生活できるかもしれないが、他の従業員はかなり厳しいと思う。

２．有能な人材の流出

　当然、待遇が悪くなれば優秀な人材ほど他へ行くことができて、最後は無能しか残らなくなり、再建後の出口戦略が立てにくくなる。

３．残った人材のモチベーションの低下

　かなりの劇薬ですから、従業員のモチベーション低下の懸念もある。この点に対して、経営層はどういうメッセージを発し、どういう対策を打つのか、そこも同時に話す必要があるだろう。

４．生活不安から、本業に集中できなくなる。

　モチベーションが低下で済むうちはまだいい。人間、金銭的な問題はかなりのストレスになる。その結果、追い込まれて自殺や犯罪に手を染めるものまで出てくるほどなのだから。

　ある者は副業に走り、本業に支障が出たり、生活不安に起因するストレスから本業に身が入らないという事態も考えられる。

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まー、この労組への提示が

１．企業再生支援機構への支援要請に向けたパフォーマンス

２．労組との交渉において、ふっかけた。

というのが目的で、実際の落としどころを別に考えているならいいけど、本気で全額カットなら、洒落にならない。

本当に心配なのは、一般事務の若い世代が恐らく、どんな会社でも給与水準が一番低い層だと思う。この層が生活に苦しむようなら、問題だし、相応の手当てをしてあげる必要がある。

一方で、使えない人員は情け容赦無用でクビを切るべきだ。金ばかり食いむしり、会社に貢献できない人員はいらない。

それから、散々、ストライキでゴネまくってたパイロット達（組合）が、高コスト体質からの脱却を妨害していたのは事実だろう。ここは、ガッツリやるのは仕方ないと思う。

あとは、従業員がこういう状況下で一致団結できるように経営層がどういうメッセージを発するのか、どういう対策を取るのか。それも重要な問題だと思う。

自分の勤務先の場合、バブル後、合併と大きなイベントがあったけど、イベントのたびに従業員のモチベーションは低下していった。経営層は響きのいいことを言うが、バブル後のいざなぎ越えの景気の際に従業員に十分な手当てをしてこなかった。

今、厳しい経済環境になっているが、会社のことを考える者は皆無と言ってもいい。会社のことを思っているような発言をしていても、方便だったり、自己保身だったりして、結局は自分のために言っているに過ぎない。

こういう状況にならないようにするために、経営層もかなりの痛みを受けて、再建した暁には、きちんと手当てをしてあげて欲しい。そうしないと、再建の先にさらなる泥沼が待っている。