感染症は正しく恐がる
専門家の発言ですが、非常にわかりやすいメッセージだと思います。
感染症は「正しく怖がって」―新型インフルと「心のケア」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090614-00000001-cbn-soci
新型インフルエンザや結核なんかもそうだけど、何で誹謗中傷に発展するのか理解に苦しむんだよね。
たまたま新型だから騒ぎになってるけど、風邪やインフルエンザになった人や、その人がいる学校や会社をそこまで非難しますか?
確かに、新型インフルエンザは弱毒性とはいえ、免疫を持っていない人が多く、恐怖はあることでしょう。
でも、感染した人だって、誰かに感染させようとして、自身が感染したわけではないはずです。
そのことを少し考えたら、なぜ、誹謗中傷になるのか理解に苦しむのです。
このニュースの学校以外にも、学校にかなり厳しい電話がかかってきたという話を聞いたことがあります。
病気に対して、正しい知識を持ち、そのための予防策・感染拡大防止策を取ることは重要です。
うちの寮でも、感染疑い例が出ました。このブログでも関係者への連絡も含めて、取り上げましたが、あくまでも事実の伝達に限定した上で、予防や罹患しないための対策を取ることは書いたはずです。
でも、「何でこいつが感染したんだ。けしからん。」という論調ではなかったはずです。
Yahoo!ニュースのコメントで気になるものがありましたので、紹介してみます。
マスコミの報道が扇動の引き金になっていることが原因。
最初は煽るだけ煽って、最近急に静かになった。
本当におかしい、この国のマスコミは。
誹謗中傷とマスコミ報道は関係ないと思います。確かにカナダに修学旅行に行っていてマスクをしていなかった学校がありましたが、その点を非難するのは致し方ないと思います。当時の報道は「予防のためにマスクをしましょう。」で、感染者がいるカナダだったのですから。
でも、感染した人に対して非難はしていなかったと思います。何でも報道のせいにするのは間違っています。報道を見聞した上で、各人がどう考えるかというメディア・リテラシーの低さのほうが心配です。
もう二つ紹介。
新型とはいえ単にインフルエンザが流行っただけで、
学校全体や生徒に誹謗中傷がなされ、こういう心のケアまでしなければいけない。
インフルエンザよりも、こういう社会の方が怖い。別にこういうのはウィルスを怖がってるわけじゃなくて
ここぞとばかりに他人を己のはけ口にしたいだけじゃん
人間ってのはそういう醜い生き物
これには激しく同意。
一つの方向にわーっと動いてしまう社会傾向、不満や不安が鬱積している中で、叩きやすい対象に攻撃が向かうことのほうが恐いですね。
情報の洪水の中で、何が正しいか、何をすべきかを各人が考えていると処理しきれなくなるでしょうが、もう少し冷静な判断と、情報の取捨選択ができるようにならないと、情報に踊らされる人が増えると思います。
誹謗中傷していた人、今現在も誹謗中傷をしている人に言いたいんだけどさ。
お前が同じように新型インフルエンザに罹って、同じように誹謗中傷されたら、どう思う?
ウイルスなんて、目に見えないんだよ。
マスクをして予防したとしても、100%じゃない。
さっき書いたようにさ、
「誰かに感染させようとして、自分が感染したわけではないのに・・・。」
って思いませんか?
少し、想像力を働かせてみてください。あなたのやっていることは明らかに間違っていると理解できるはずです。
その一方で、今も新型インフルエンザの感染者は出ていますし、WHOがフェーズ6を宣言しています。十分な予防と、万が一のために個人や企業で備蓄すべきもの、感染の疑いがある場合の処置方法などを確認しておくことは大事です。
過度に恐れる必要はないけれども、適切な対応を取ることが大事なのは変わらないです。
それが、「正しく恐がる」ことなのではないでしょうか。