SL春さきどり号試運転レポート

昼食を終え、12:30頃に姉ヶ崎駅に再入場。

既に1番線・2番線ホーム(下り・木更津・君津方面)の千葉方には2名ほどの場所取り同業者が。

私もこの場所の先頭でC57がやってくるのを待ちます。待ち時間は待っている人同士で色々な話を。マニアックな話をしても通じるのがうれしい。

ところが、千葉方を見ると何やら怪しげな人影が。

どうやら、線路周辺の鉄道用地内に侵入している様子。撮影のため待機している人が協力して駅係員に連絡。駅係員も怪しげな人影を確認して警備員を向かわせたようです。

姉ヶ崎駅千葉方上り線路、制限解除標識付近に明らかに人がいます。

2年前のSLちばDC号(千葉~木更津)間の時にも同じ場所に人が立ち入り、その時も駅で撮影しようとした人が気づいて連絡して、警備員が立ち入った人を退去させる場面がありました。

駅長さんをはじめ(実は駅長さんも警備をしていました。)駅員さんたちも、連絡してくれたことを感謝していました。駅のホームで構えていた人たちも、安全輸送を邪魔しないという考えは一致していたから、当然のことをしたまでです。

それにしても、残念ながら撮影者のモラル・マナーは相変わらず改善されていないのは残念です。こういうことがあると、

「千葉の撮影者のマナーが悪くてSLを走らせられない」

という判断を下されても仕方ないと思います。

鉄道ファンはあくまでも、旅客や貨物を安全・安定輸送する場所で趣味の活動をさせてもらっている立場です。安全を脅かすような行為は絶対にしてはいけません。

自分たちは安全だと思っていても、カメラを構えると、ついつい前に出ることがあります。その結果、踏切で撮影をしていて亡くなった方もいます。

また、会社の部長で過去に安全関係教育調査のため、JR東日本の白河研修センターで、研修を体験した話によると、運転士の立場から見ると、ホームの黄色い線から少し出ているだけでも、飛び降りようとしているように見えるそうです。(ちなみに私の勤務先は鉄道事業者ではありません。)

ですから、普段、駅で列車を待つ場合も、撮影の際もホーム上の黄色い点字ブロックの内側まで下がるようにしてください。

さて、この侵入をした輩が姉ヶ崎駅に向かって来ました。何やら大声で叫んだ、ちゃらちゃらとした若造でした。(恐らく追い出された腹いせで何か言っていたのでしょう。)

若い子が鉄道に興味を持つのは、同じ趣味を持つ人間として歓迎なのですが、それは、ルールとマナーを守る人だけです。正直、ああいうのと我々は同じだと思って欲しくないです。

C57の警笛がはるか遠方から聞こえてきました。最前列の人たちはしゃがみ、後方の人の邪魔になっていないか確認しつつも、警笛の音に感激しながら、到着を待ち続けています。

そして、踏切の警報音が聞こえ、駅には列車接近のアナウンスが流れます。それから少し経ち、C57が煙を吐きながら、警笛を鳴らしつつ、ゆっくりとホームに向かってやってきます。

シャッターを切る音があちこちから聞こえ、貴婦人・C57はゆっくりと滑るように姉ヶ崎駅1番ホームに入ってきました。

到着後はホーム上の人がすごいこと。午前中のDLの比ではありません。

C57の近くでは、バケツに石炭を入れ、機関士が軍手で石炭に付着している微粉をぬぐってから、希望者にプレゼントしていました。

また、駅長さんや駅員さんは予めビニール袋に入れた石炭を配ったり、房総発見電のシールを配っていました。

石炭をあげる光景は以前もありましたが、機関士が汚れないように微粉を取って渡したり、駅員さんが袋に入れて渡すなど、とにかくサービスの良さが目立ちました。これは千葉県に観光で訪れる人にも良い印象を与えると思います。

何本かの定期列車は発着番線を2番線に変更して運転していました。

この時、特急列車が通過するはずなのですが、ホーム先端で撮影をした人が駅員さんから聞いた情報によると、停車するのではないか?とのこと。

そんな会話をしていて、駅員さんに聞いたら、把握していなかったらしく(警備のためなので仕方ないのですが。)運転情報を知っている駅員さんに聞いてくれて、教えてくれました。本当に、今日は駅員さんや警備に来ている方が親切で、本当に好印象です。

結局、停車or通過or運転停車かは明らかにならなかったのです(笑)

試運転のSLにあわせて客扱い停車をするのかと思ったら、客扱いをせず、運転停車をしました。

で、運転停車について、話していたら、近くにいたJRの方が、なぜC57が1番線で、他が2番線になっているか説明してくれました。

姉ヶ崎駅1番線は下り列車の本線で、2番線は下り列車(一部、折り返し上りも停車する)の退避線になっています。

最近のポイント(分岐器)は、最近の列車の重量に合わせて作られているそうで、重量が重いC57がポイントを渡ると、ポイントが故障したり、事故が起こること心配があるそうです。

そのため、本線側に停車させて、その他の列車を2番線に入れているそうです。

特急列車はこの時間、通過する駅なのですが、ここでは、一旦停車をしないと信号を青(出発)にしないとのことで、そのために運転停車したそうです。

私を含め一緒にいた3人は、こんな説明をしてくれるとは思っていなかったので、親切な対応に喜んでいました。

さて、SL春さきどり号試運転列車も姉ヶ崎駅を出発する時間になりました。ホームの木更津方に移動し、出発するC57を見送ります。

汽笛が鳴り、煙を吐きながらゆっくりと進みます。機関士も、客車に乗っている職員の方も、手を振っています。

この時、近くに居た子供が、たくさん出る煙に、

「CO2が出てる~。環境破壊だ~!」

と言っていたのには、笑いました。CO2とか環境破壊って小さい子供でも知っているんですね(苦笑)

一緒にいた方とは、ここでお別れ。

色々教えてくれた駅員さんや駅長さんにも頭を下げて駅を後にしました。

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