JR東海運転士、ミス隠蔽行為か?(追記あり)
1つの重大事故・災害の影に多くの予兆現象あり。
速度超過の運転士、記録隠す?=列車のICカード抜く-JR東海
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090109-00000184-jij-soci
福知山線での脱線事故の運転士も、速度超過を繰り返し、大幅なオーバーランをしていました。そして、そのミスを隠すようなことを車掌に頼んでいたということがありました。
なんだかそれを想起させるような、速度超過、オーバーラン、ミス隠蔽行為の3点セットですね。年齢も20代でこれも共通する。
大事なことは安全運転のはず。ダイヤ通り走らせることは、その次のはずです。
そして、重大な事故の前には必ず予兆とも言える、軽度の事故があり、その前にはヒヤッとした出来事があり、さらにその前には不安全な状態・不安全な行動があるものです。
安全に関する仕事に従事している人なら、ハインリッヒの法則とか、1:29:300の法則という言葉を聞いたことがあることでしょう。旧国鉄時代にも330運動という形でハインリッヒの法則に基づいた安全活動があったはずです。
この法則に当てはめれば、確実に重大事故につながる予兆だったと思います。
それだけではありません。福知山線脱線の際に明らかになった懲罰的な「日勤教育」が運転士に過度なプレッシャーをかけていたことも問題になっていました。
JR東海にも同様のことがあったのか、どうなのか。もし、あったならば、教育や配置のあり方も考える必要があります。
ダイヤ設定がどうなっていたのかも問題です。福知山線の脱線事故の場合は、余裕時分(ダイヤに乱れが生じないように設定される多少の余裕時間)がかなり少なかったことも運転士へのプレッシャーとなっていました。
ここで誤解して欲しくないのは余裕時分が少ないことと、ダイヤの過密さは別だということです。ダイヤの過密さで言えば、山手線や中央線(快速)のほうがシビアです。中央線(快速)なんか、前方列車の最後尾が見えるほどですから。
管理者の立場からすれば、ミスや不具合を隠蔽されると、何が問題だったのか、どこが問題だったのか事実が見えなくなり、対処が困難になります。
もし、恒常的に速度超過や特にアクシデントがないのに運転遅延を起こしていれば、路線状況が把握できていないために速度超過をしていたとか、運転遅延が多いなら停車技術に問題があるとか、安全を第一にするという考えよりも他のことを優先させるならば、運転士としての適正を欠いている可能性もあるわけで、その場合には管理者は(懲罰的ではない)教育や配置転換も必要なのですから。
運転士個人を過度に責めるのではなく、再発防止のために何があったのかを明らかにし、対策を講じることが求められています。
※追記
Yahoo!のコメントでこんなのがありました。
私は民鉄の運転士だが。
遅れていると、出せるところで速度をあげようと考える。
制限速度厳守と言うが、実際は安全速度よ りも低く設定されてい る区間が多く、安全に 問題の無い(長年の経 験から)程度の速度オ ーバーをしてしまうこ ともある。
出来心で、1km/hでも超過すれば違反 が記録されてしまうデ ジタコ(ICカード) を抜いて走るのは、心 情的にとても理解でき る。
3分遅れただけでブリブリ文句を言うお客 様もいるし、朝夕は過 密ダイヤで数分遅れる と大変な事になるし・ ・・
運転手や鉄道会社だけを責めないで欲しい。
この発想が恐いと思うんだよね。出せるところで出すってのは、路線を理解し、どこに制限があって、その制限を遵守できる範囲で出すなら問題はない。
だけど、安全に問題のない程度のオーバーを経験で・・・と、言うのは恐いと思う。鉄道工学に基づいているわけでもないし、人間の感覚だから都合のいいように解釈もしがち。そういうのを繰り返すうちに感覚が麻痺して、どんどん許容範囲を拡大してしまう。
そもそも、その安全マージンは安全のために余裕白があるのであって、それを勝手な解釈で食いつぶすのはダメだろ。
その一方で後半のデジタコ(デジタルタコグラフ)の件は気の毒だと思う。計器誤差は考慮されてないのだろうか。
また、乗客が文句を言うってのは、わかる気もするが、鉄道会社も遅延しても不便にならないよう接続を取るとか、そういうことも必要だろうね。
まー、3分程度なら、都市部なら本数があるから問題にならないし、田舎なら接続列車がすぐに来なくて問題にならない。乗客もカリカりするなと。
だけど、運転士に文句を言う乗客っているか?駅員や車掌にはいるだろうけどさ。ここは考え方を変えて、「彼らは文句を言われるのを請け負ってくれている。だから、俺は安全運転に徹しよう。」と思ったほうがいいんじゃないかな。