消費しない20代が日本を滅ぼす!?

消費しない20代が日本を滅ぼす!?
若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!
http://diamond.jp/series/nippon/10021/

こんな話が出ていた。竹中平蔵とくりぃむしちゅーの上田晋也との対談記事だが、無茶苦茶じゃないか。

まるで20代が悪いようなタイトル、そのサクセスストーリーの機会さえ与えられていないのに、どうやってサクセスストーリーを経験しろと言うのか。

本文を読めば「楽で傷つきたくないミニマムライフ世代」などと言っている。そういう世代を生み出したバブル経済の崩壊、オウム事件、阪神淡路大震災、アメリカ同時多発テロがあって、将来を悲観していて、そういう世相と時代のせいにしている。

だが、ちょっと待って欲しい。本当に20代がそんなに縮こまっているだけなのか。

むしろ、世相や時代のせいにして、彼らをきちんと見ていないだけじゃないか。

冒頭に書いたように消費したくても消費できるだけの金がないし、企業だって萎縮型の体制になっているから、安易に金を貸すわけも無い。与信審査は厳しくなっているだろう。

サクセスストーリーを経験しろと言っても、企業が正社員として雇用してくれないなら、サクセスストーリーどころか、明日、食うものにも困る状況じゃないか。

そもそも、竹中は、経済的強者と弱者を作り、強者が消費をすることで、日本全体が潤うという思考だろ。この理屈とサクセスストーリーを経験しろだの、消費をしない20代だのって、理屈が合ってない。

理屈が優先されるなら、金持ちにバンバン消費しろというべきだし、後者を優先するなら、自分の理屈が間違っていたと失敗を認めなくてはならない。

冷静に考えて欲しい。例えば5000万円という全体の枠があったとする。これをどう分配するかだ。

5000万円を年収5000万円の人が1人で、残り9人が0円なら、車は高級車が1台売れる程度だろう。

でも、5000万円を10人で応分すれば、年収500万円が10人で、安い車くらいは買える。これなら、軽自動車が10台売れるではないか。

前者が現代社会、後者が1億総中流時代の社会だ。どっちが多く消費できるかは、車が売れる台数の違いを見れば一目瞭然だろう。

竹中の理論が間違っているというのが、現実社会でも、それを簡単に示した2文でもよくわかるはずだ。

今の縮小型経済は、起こるべくして起こっているし、若い世代が消費しない(できない)のは当たり前なのだ。労働者使い捨て、年金も怪しいとくれば自力でどうにかするしかない。だから、溜め込む。

消費が冷え込むのは未来への明るい希望がないからで、その希望を作るのが政治の仕事のはず。それを若い世代や企業に押し付けるのは、とんでもない話だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.