サラリーマンとお金と仕事
ネタ元の記事では、サラリーマンはお金だけでは動かないと言っていますが、これは程度問題だと思いますよ。
例えば、食うのに困る程度の人はお金で動くと思う。今、満たされている人は、お金よりも違うところに価値を見出すと思う。
また、お金は労働に対する対価なわけで、その対価が労働に見合うと感じるかどうかもあると思う。
要はバランスやウエイトをどこに置くかだと思うんだよね。
その一番いい例が中間管理職でしょ。仕事は大変になって、少しだけ給料が上がっても、満足感がない。
お金もやり甲斐も要素の1つだから、どれか1つだけを満たせばいいというものではない。あえて言うなら「お金だけでは動かない」ということだろう。
仕事に対する満足度の要素って、お金、仕事内容、上司、同僚、体力的な負担感、精神的な負担感・・・と、色々あるだろうしさ。
私がネタ元のように聞かれたら、「今の仕事にやる気があるか?」と問われたら、「ない」と答える。
あんなに大変な思いをして、出来の悪い本社が作ったルールを、ルールを守りつつ運用可能なレベルに落とし込んだのに、本社の連中は好き勝手なことを言い、金曜日に説明をすれば、内部の人間も好き勝手なことを言う。
誰からも誉められず、「これじゃあ管理不足」「面倒だ」と方々から言われたんじゃ、何のために仕事をしてたんだろう…って思ってしまう。
それに対して給料が見合っているかと言われたら、見合ってないと感じてる。
だって、下手なシステム系の派遣社員のほうが時給単価がいいんだもん。こんなに大変な思いをして、企画して業務を回しているのに時給1500円もないんですよ。超勤割増賃金でやっと1500円超えるくらいなんですから。(派遣社員は派遣社員で大変だけどね。派遣先=お客さんだから、なかなか精神的には大変だと思う。)
それと、うちの場合は同僚かな。今や不満要素で強いのは同僚のほう。何かあれば文句しか言わない。手助けするとか、そういう考えが皆無で上司よりも説得に時間がかかる厄介な存在。他部署なら素人だから言いくるめられるけど、自部署はそれもできない。
以前は上司の不満要素があったけど、交渉事なんかのフォローもよくしてるし、それなりに評価してくれているようだから、不満は少ない。上司が頼っているのか、自分から先回りしているのか、以前より自分の仕事の自由度は広くなったと思う。そういう意味では、やり甲斐は増えていると思う。
私の例を出しても、やり甲斐だけが増えても満足度が増えないことが良くわかる。
この場合は、お金と同僚が不満要素が強いということがよくわかるだろう。
だから、単純にやり甲斐だけを改善しても、お金だけを改善してもダメで、色々な要素のバランスの上に満足度があるということを忘れてはいけないと思う。
また、ネタ元の記事では、
モチベーションを高める仕事の1位が「自分がやりたい仕事」=お金ではない
と、結論付けているが、途中でも書いたけど「お金だけではない」ということなのだ。この違いを間違ってもらっては困る。
「成果主義のいい加減さに気づいた」と書いているが、成果主義はお金を増やすためのものではなく、お金を減らす口実に使われていただけ。成果主義風味で実質的な年功序列という会社もあるし。これと、仕事のやり甲斐は別次元の問題で、すり替え論法だろう。
むしろ、成果主義と言いつつ、自分の仕事を正当されていないと感じていることが不満なのではないか。(とはいえ、これと「やりたい仕事」もまた別次元だが。)
記事中では、
「そんな部下を奮起させるには“いまは嫌な仕事をしていても完遂すればやりたい仕事に就ける”と希望を与えることです。ところが日本の中間管理職のほとんどはこうした励ましができない。その原因は自分が上司から夢を与えられたことがないからです」(廣川氏)
と書いている。でも、「いまは嫌な仕事をしていても完遂すればやりたい仕事に就ける」なんて言っても、それが気休めだとわかった時の落胆は、もっとひどいぞ。
それなら、きちんとしたキャリアパスを部下と上司が話し合って描くことだと思うね。部下がやりたい仕事を話させて、そのためにどんなスキルや経験が必要か。そのための過程に今の仕事があることを示さないと、納得できないと思うけど。
それに、やりたい仕事を全員が叶えるなんて、難しいよ。どうしても、やりたくなくても、やらなくてはいけない仕事がある。だから現実的なのは、やりたい仕事につながる仕事を与えつつ、やらなくてはいけない仕事を割り振るしかないのではないか。
サラリーマンが会社と仕事に望むもの
http://news.livedoor.com/article/detail/3809253/