教師にならなくて良かった
大分での教員採用汚職が色々問題になっている。
私は、色々な先生から
「君は、教師に向いている。教師を目指せばいいのに。」
と言われていた。もし、今の会社に落ちたら、実習助手(教師の補助)として仕事をしつつ、教員免許を取ることも考えていた。
だが、あんまり気乗りはしなかった。中学生の頃、放送の委員長であり、生徒会役員を兼任していた。その関係で、退任される校長先生と二人で話す機会があった。2時間くらい話していただろうか。
その中で、結構、ディープな教職員の世界を聞いていた。校長は孤独だったみたい。一般教員は組合という強大な力があって、管理教員である校長は孤立することも多かったようだ。
自分の学校のこととは言っていなかったが、教員同士のいじめ、管理職に対する表だって見えない圧力…。
なんで、校長先生は私にこんなことを話してくれたのか、その当時は理解できなかったが、ひょっとしたら、将来、教員を目指すことがないように願っていたのかもしれない。私のことを案じて。それか、報道専門委員(放送)という立場もあって、世の中のことを報道する立場、社会に影響を与える立場になった時のためだったのかもしれない。
それとも、中学生にまで心情を吐露しなければならないほど追い詰められていたのかもしれない。
もし、私が教師を目指したとしても、採用汚職があったなら、金もコネもない私は、採用されなかっただろう。ましてや、実習助手をして、夜間大学で教員免許を取ったとしても、学閥という問題だって考えられる。
仮に採用されたとしても、学校内で肩身の狭い思いをすることになっていたんだろうな。
このニュースを聞いて、そんなことを思っていました。
さて、不正をした教員は解雇という話も出ているようですが、対応は早まらないで欲しいんです。
確かに不正はいけないことです。でも、途中で担任が変わってしまうと、子供たちや親御さんの動揺もあります。
私は、高校の頃、突然、担任が異動することになって、クラスの中が大きく揺れていたことも経験しています。
新任教師は3年程度で異動するという暗黙のルールがあったらしく、それに該当したそうなのです。でも、同期で隣のクラスの担任をしている先生は異動になりませんでした。
工業高校に通っていた私たちは、就職活動がある3年を前に担任が変わるという事態に納得ができませんでした。何よりも不安だったんです。これが1年生の時なら、まだ動揺も少なかったかもしれません。
直訴文を用意して、代表者数名で校長室に押しかけて、意思を主張したこともあります。今にして思えば、無駄な抵抗だったんでしょうけどね。それでも、ただ、指をくわえて黙って見ているわけにはいられなかった。
それくらい、生徒・児童にとって、学校や先生って大きな存在なんです。だからこそ、冷静に対処して欲しいんです。学校教育は誰のためにあるんですか?子供たちのためにあるんじゃないんですか?
大人の都合で子供たちを傷つけないで欲しいんです。例えば、担任を受け持っているのであれば、卒業か、クラス替えの年次まで待って欲しい。それくらいの弾力な運用は考えてもらえませんか?
また、
1.不正があったけど、普通に採点しても採用に値する教師
2.不正があって、普通に採点したら不採用だったが、子供や親御さんの信頼が厚い教師
を失うのも、やっぱり勿体ないと思うんです。これらは補講とか、一定期間の減俸とかのペナルティを課した上で継続して教壇に立たせてみてはどうでしょうか。
そして、本当に処分する必要があるのは、
3.不正があって、教員としての資質に欠く教員
なのではないでしょうか。ただ、2.と3.の境目になる子供や親御さんの評価が公正にジャッジできる方法を探すことが必要ではないでしょうか。
さらに、
4.不正がなく、本来ならば採用されていた受験者
これは、速やかに救済すべきだと思います。教員が余剰になるかもしれませんが、今の先生は忙しいのも事実。ならば、負荷を減らすためにも職員はいてもいいと思います。(財政的な問題はありますが。)
場合によっては、チームティーティング(正教員と、教室内を巡回して、わからない部分をフォローする先生がいて行う方法)を導入して、教育の質を向上させたり、落ちこぼれを出さない教育を試みるのも良いのではないでしょうか。
また、「不正教師」と言っても、本人の知らないところで親が不正を依頼しているケースもあって、その先生を単に糾弾するのも気の毒だと思います。これも何とかしてあげられないかな…と思うんですね。
そして、これからの採用試験では、一切の不正をなくし、公正で透明性の高い選考にしていくことも忘れてはいけません。
[教員採用汚職]元教育長も合否調整 口利き40年来 大分
http://news.livedoor.com/article/detail/3737052/
“渦中のコネ教師”まだ教壇に立っていた!
http://news.livedoor.com/article/detail/3737256/