なんちゃってeラーニングでは解決できない
私大生2割「日本語力中学生以下」 学力底上げにeラーニング導入
http://news.livedoor.com/article/detail/3452740/
この記事で非常に気になったのが冒頭のこの部分。
「私大学生の2割の学生の日本語力が中学生以下」という驚きの調査結果が明らかになった。この調査を行った教育機関では、「大学でのeラーニング導入を推進しないと、今の大学は生き残れない」と提言している。
この部分だけ読むと、まるでeラーニングが万能薬のように感じます。特に「今の大学は生き残れない」という部分がそういう感じを強くしています。
でも、eラーニングって、学習形態の一つですよね。つまり、
(現状)日本語力の低下
(目標)日本語力の向上
(手段)eラーニングを用いた学習環境の整備
ということですよね。本当にそれしか手段がないのでしょうか?なんだか、冒頭の部分を読むと手段が目的になっているように思えます。
基礎学力がないなら、余計に片方向だけの学習方法というのは適さないと思います。なぜなら、日本語力がない人を相手に教材を配信しても、教材の内容を理解できないというオチがありますから。
少なくとも、質問を受け付けるところは必要でしょう。
それに学生が自発的に学ぼうとしているならいいのですが、そうでない人に、単に教材を垂れ流すだけでは、修了率も悪いでしょう。進捗状況を管理したり、場合によっては、進捗を促す仕組みも必要なはずです。
あと、無期限に教材を配信していると、「いつでもできるや」と思って、まずやりません。夏休みの宿題がそうでしょ。「まだ先だ」と思っているうちに、いつの間にか夏休み終了が近づく。そうなると、慌てて宿題をやる。
期限があるから、慌ててでも宿題をやるのであって、無期限だったら、まずやらないことでしょう。
どのような体制で行うのか定かではありませんが、手段が目的に化けるようならば、効果は期待できないでしょう。
誰のために、何のためにやるのか、そのためにどうあるべきかを考え直したほうがいいと思います。