IRレポートを分析する

久しぶりにスタバのIRレポートを見た(ダメ投資家ですね…。)

まー、私は投資家というよりも、ファン株主という程度。無茶苦茶な経営をしていなければ、良しという程度の監視レベルにしている。監視と言えば響きが悪いが株主と経営陣というのは、ある程度の緊張関係があって当然なので、経営を監視する機能が株主にはあるし、必要に応じて、Noをたたきつけることもできるし、そうあるべきだと思っている。

さて、肝心のレポート分析だが、ちょっと注意が必要と見ている。

全店売上高は引き続き前年同月比110%台をキープしており、通年で見れば10%のプラス成長だから、なかなかのものだろう。

2007年10月の既存店売上高101.8%と他の月に比べて3%程度落ちているのは、昨年が10周年記念プロモーションで売り上げを伸ばしていた反動というのは理解できる。

だが、引っかかっているのは、客数の数字の遷移なのだ。

2006年12月に100%を割り、2006年3月以降はずっと100%を割っている。つまり、これは、既存店舗が新規客をつかめていないことを意味している。

いくつか要素があると思う。心配ない要素は、商圏に新しい店舗ができた場合だろう。

だが、これらを検証する術がない。

IRレポートでは、全店売上高は書かれているものの、全店客数、全店客単価が示されていないのだ。全店客数が伸びているならば、この分析がほぼ妥当なものと推測できるであろう。

心配な要素は、新規客をつかみきれていない=成長にブレーキがかかっている。というシナリオである。特に、商圏内に新しい店舗ができていない、商圏自体の環境が変動していない場合は、こういうシナリオになる。ただし、100%をわずかに切る程度であれば、「客離れ」というレベルではない。新規がつかめていない。ということだと分析している。これが、前年同月で-5%、つまり、95%以下の数字であれば、客離れが始まっていると見て良いだろう。

その一方で、客単価が2006年に比べてポイントを伸ばしているのは良い傾向ではないでしょうか。1人がドリンクだけでなく、フードをオーダーするようになった。などの要素が考えられます。そうすると、弱点と言われていたフードが一定の評価をカスタマーから受けているということでしょうか。それとも、お店に入って、ビーンズや、コーヒー器具、グッズを買う人が増えたのかもしれませんが。

私が感じるのは、都市部での成長には、そろそろ限界が見える。というのが正直な印象です。東京の都市部であれば、ちょっと歩くとお店にぶつかるエリアもあるので、これ以上は、商圏がぶつかり合ってしまうエリアがあるのも事実。

都市部でも空白地帯も無くはないんです。例えば秋葉原。UDXビルにはあるのですが、平日のみですし、何よりも一般客に知られているような場所ではない。

あとは、TSUTAYAとの併設、企業内、病院内、新幹線駅などの駅ナカ、空港内、高速道路のSA/PAは余地があって、現に動いている。

企業や病院内はエームサービスとの話があるし、新幹線は既にJR東海パッセンジャーズサービス、空港内は全日空商事と手堅く領域拡大をすすめている。(できれば、うちの会社や寮に欲しいんですが…。でも、入り浸ってお金使い過ぎそう 笑。ちなみに寮は11月からエームサービスに切り替わります。)

ただし、JR東日本の駅ナカは難しい。JR東日本グループにBECKSというコーヒー店を持っているので、JR東日本は積極的に出店させてくれないだろう。せいぜい、駅ビルに出店が限界だろう。(例:大宮駅の駅ビル店舗)

でも、私が他に注目しているのは、地方ですね。

実は、まだ店舗がない県が数県あること、店舗がある県でも、1店舗だけという県もある。
ブランド力は全国区で、地方でも知られている。
そのため、今まで店舗がない県で出店すると、ものすごい盛況だったりすると聞く。実は、購買意欲が高いのは、コモディティ(日常的)になった都市部よりも、実は、地方なんじゃないかと思うのだ。

ただし、地方ならどこでもいいわけではない。地方のド田舎にポツンとあっても、儲けにはならない。SC(ショッピングセンター)などにピンポイントが理想だろう。あとは、玄関となる駅周辺、県庁周辺(どんな地方の県でも県庁は人が集まる)あたりは余地が多い。

地方拡大作戦で心配なのは、経済面で、地方はかなり疲弊しているという現実だろう。
そこで、「手に届く程度の贅沢」として受け入れられるのか、「こんな高いものは、とてもじゃないが手に届かない」とされるのか見極めが必要だと思う。

なので、空白県に1店出して様子を探り、その状況を見てピンポイント拡大をするか、それとも、様子を見るのかを判断してもいいと思う。

投資家としては、このような目で見ているが、一顧客としては、混雑しすぎる状況よりは、ゆったり楽しめるほうがありがたいので、今くらいが丁度いいのかな…と思ったりもする。ファン株主とは矛盾する願望を持つワガママな存在でもあるのだ。

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