選挙公報を読んで

統一地方選挙の投票日が4月8日に迫る中、自分の街の候補者について書かれている選挙公報を眺める。

市議会議員から県議会議員を目指す人が多いようだ。
そこで、過去の市議会議員選挙の選挙公報を取り出してみて比較してみた。
すると…。

書いてることが全く同じというお粗末な候補者を発見。
公職選挙法の関係もあるので、特定候補者については書かないが、市政と県政を同レベルに捉えているなら、甘すぎる。
選挙公報のスペースでは、具体的な公約を書くのは難しいというのはわからないわけでもない。でも、こういう書き方をしている人が結構いる。

選挙公報に突っ込みを入れてみたい。

候補者A
高齢者福祉に取り組みます。
過疎化について取り組みます。

高齢者福祉の何を取り組むのだ?高齢者が入居する福祉施設の虐待問題、医療費、介護費用、医療や介護の担い手の問題…。もう少し具体的に書けないのか?

過疎化も同じで、何を取り組むのか? 過疎化が激しいから、1つの場所に移住させて行政サービスを効率化するという発想だってあるし、人が来るような施策をするというのもある。

候補者B
「人とやさしい福祉と環境 住み良い ○○(市町村名)」
…のために、あなたは何をするの?
その後は、「近年の社会情勢は…」などと書いている。

候補者C
「県の歳出削減に外郭団体の統廃合を推進する」
「議員定数を削減する」
そう。こういうことを書いて欲しいのだよ。
選挙公報のスペースでは、これが限界で、マニフェストであれば、財源やいつ、どういう取り組みをして、いつまでにこの公約を実現するのかを示す必要がある。
まあ、合格点だと思う。

候補者D
「(大項目)誰もが住み良い社会の実現 (小項目)安心な医療体制を確立する」
(他数点)
これも合格点じゃないでしょうか。候補者Bも住み良い街ということを書いていますが、小項目で、住み良い街のために医療体制の確立とやや具体的になっています。

候補者E
「元気な○○(市町村名)」のために県政の場で、即戦力となって仕事をします。」
自分の名前であいうえお作文。
即戦力を標榜するなら、どの分野に力点を置きたいのか、そこを明確にしない候補者が即戦力になれるとは思えない。
実際にアクションを取るためには、いつまでに、何をしたいか。そのために、どういうリソース(財源、時間、人など)が必要で、その確保には、どうして…という計画が必要なはず。
少なくとも、どういう分野で何をしたいかを書いていないようでは、即戦力になれると判断できません。
あいうえお作文も意欲や所信だけで、具体性が見られません。

候補者F
「日本一の子育て先進県にする」
「災害に強く、犯罪のない街づくり」
など
子育ての点は、もう少し具体性が欲しい。子育てをしやすい街のために、医療の充実や保育所・幼稚園の拡充など色々あると思う。
災害に強く~は、安心な街づくりという点では、具体的ではないだろうか。地域特性上、災害が発生すると大災害になりかねないので、この点に言及しているのは評価できると思う。

候補者G
「小学校卒業まで医療費無料に」
「介護保険と国保の引き下げを」
ほか。
具体性は評価できるが、医療費無料の件は、大企業課税強化によって財源を出そうという考え。
これは、諸刃の剣というか、自滅行為かもしれない。
この県の産業構造や地理的な状況を勘案すると、大企業によって支えられている側面が大きい。
課税強化をして、大企業が逃げれば税収増どころか、税収減となり、絵に描いた餅になってしまう。
介護保険と国保については、財源が明示されていないが、これも「弱者配慮」をアピールしたいだけで、具現性がないと思われる。

候補者H
「政務調査費の透明化、議員日当廃止、議員年金廃止」
「保育所・学童保育の充実」
など
結構、まともだと思います。広報ではこれが限界だと思うので、ほかの情報を参照したいと思う。

…と、色々突っ込みを入れてみた。
ポスターは顔と名前程度。選挙公報が少しだけ公約という程度だが、細かく見てみると、こんな突っ込みも出てくる。
たまには手にとって、じっくり見てみるのもいいと思う。

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