崩れた安全神話信頼回復はどうなった?

また信じられないようなトラブルが起こった。
今度は航空管制が停電でダウンというトンデモな事態だ。
航空管制は、ここ最近でもシステム障害で乱れが出たりしていたが、とうとうやってしまったというのが、私の正直な感想である。
改めて今回のトラブルの前に電源系統をまとめると。
1.レーダーへの電源供給は2系統あり、電力会社からの給電と、電力会社からの電力供給が断たれた場合の発電機(自発)の系統がある。
2.さらに、自発も動かない場合に急に管制業務ができなくなる事態を防ぐために非常用バッテリーが用意されている。
3.非常用バッテリーが動作した場合には、ランプやアラームで異常を通報する仕組みになっている。
当日の状況は、
1.東京電力からの電力供給は通常通り行われていた。
2.自発は動作していなかった。
3.バッテリーが動作していたが、アラームやランプでの通報がなかった。
4.このため、誰も電力供給異常に気づかず、午前11:33頃、突然、電力が断たれた。
5.約10分後に電力供給再開。システムは、約1時間後に復旧。
一体、何がどうしたら、こういう状況になるのか理解できない。
会社のシステム関係の電力供給もこれに似ていて、会社自体が東京電力からの買電と自家発電が常に併用されている。
さらに、個別の機器には、UPS(バッテリー)が備え付けられており、通常、10分~30分の電源供給され、一定時間電力供給が再開されない場合には機器保護のため、シャットダウンを自動で開始される。
電力供給の変化は管理者用パソコンに即時通知され、室内のパトライトが動作する。
もちろん、こうしたテストも時々行われていて、正常動作を確認している。
航空業務という一歩間違えれば多数の人命が奪われるような重大な業務が、どうして、こんなに杜撰なのか全く理解できない。これなら、私の担当しているシステム機器のほうが立派だろう。
航空では日本航空の相次ぐトラブル、鉄道では福知山線の脱線事故や夜勤時の飲酒、バスではJRバスの飲酒運転なども記憶に新しい。これらの事件により、輸送機関の信頼が揺らいでいる。
もうすぐお盆休みで、それに伴う輸送需要がある。各交通機関、これらを管理・監視・管制する機関を含めて、今一度安全点検をゼロベースでしっかりと確認して欲しい。
失われた信頼を取り戻すには、地道な努力しかないことを肝に銘じて欲しいものだ。

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