時代のせいにするのは安直すぎる

タイトルに惹かれて本文を読んでみたけど、別の見方もしてみたいと思います。

若手はなぜ成長を急ぐのか?「会社」よりも「自分の能力」を重視する理由【若手社員を辞めさせず成長させる「適度なかまい方」マニュアル】
http://news.livedoor.com/article/detail/3939034/

この本文では、今、24歳の若手社員は小学校1年の時にバブル崩壊し、それ以降、暗い世相の中で育った。だから、就労感に諦めの良さがあり、会社や社会に対して期待していない。

続きは読んでいないが、ざっくりとまとめるとこういうことだろう。

だが、これってあまりにも安直すぎないだろうか。時代を引っ張り出して若手世代と考え方が違うというのは一つの要素に過ぎない。

若手が成長を急ぐのは、若手自身の意識もあるが、実際問題、会社も成長を急がせている。うちの会社の場合、交替勤務者のリーダー的な存在は入社10年前後でなるように求められている。以前は50代、40代後半あたりが多かったように感じる。

それに加えて、給与を減らすことが目的の「似非成果主義」により、「早く目標到達地点まで到達しないと『成果をあげられなかった』として、ダメ社員のレッテルを貼られる」という強迫観念みたいなものもあるのではないか。

ちなみに、私がとある会社のお偉いさんとお話したとき、冒頭のような世代分類を次のようにわけて、考え方をまとめてみた。

1.団塊世代 高度経済成長やら何やらで元気が良い世代だが、定年後再雇用などで甘い汁を吸い続けようともしている。再雇用で後進の育成をするなら必要な人材だが、年金受給までの給料を得るためだけに会社にいる人も結構多い。この世代が栓をしているような状態では、下の世代のモチベーションも技術の伝承も起こらないため、残す人材と切る人材を見極めることが会社にとっては重要な問題である。

2.安定期世代 団塊世代ほどの勢いはないが世相が安定していた世代。高度経済成長後半~バブル前までの世代。この世代は考え方も比較的安定しているので、上の世代の栓さえ無くなれば、かなり戦力になる世代。

3.バブル期世代 採用試験の最中に内定が出るとか、内定が複数が当たり前の世代。入社後もバブリーな社内イベントなどがあり、どこか浮かれている。競うように大量採用していたため、玉石混交で使える人材と使えない人材が混ざっているため、選別が必要。

4.氷河期世代 バブル崩壊後~近年の売り手市場まで。35~25歳あたり。この世代が記事での若手世代に近い。思春期にバブル崩壊、大手証券会社の破綻、銀行の破綻を見て、社会の厳しさを実感する。この世代は就職が厳しかったので、自ら考えて成長しようとする傾向もある一方、失敗すれば会社を追い出されるかもしれないという考えもあるため、とにかく手堅く仕事をする傾向がある。育成のポイントは、冒険をさせること。失敗を恐れないこと。であり、「君たちが多少の失敗をしても、(上の世代である)私たちがフォローするから安心しなさい。」というメッセージと、「失敗から色々学ぶこともあるんだ。一番いけないのは何もしないことだ。」というメッセージを与えることだろう。

5.プチ売り手市場世代 ここ数年。やや浮かれ気味のところがある。とはいえ、氷河期世代の社会状況も知っているので、バブル期世代ほど浮かれていない。まだ会社に入ったばかりなので、評価はこれからだろう。

6.再氷河期世代 来年度入社~。突如訪れたリーマンブラザーズ破綻など、アメリカのサブプライム問題に端を発した経済不安定時期。恐らく再び後に「氷河期世代」といわれるであろう世代。氷河期世代と似た傾向を示すと予想。

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