(世論調査)教育が最も悪化と感じる

ネタ元
<社会意識調査>「悪い方向に」教育がトップ 内閣府発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070331-00000074-mai-pol

記事が文章で書いているのでわかりにくいので、一覧にしてみる。
問.現在の日本の状況で悪い方向に向かっている分野は?(カッコ内は2006年調査比)
1位 教育 36.1%(+ 12.3%)
2位 治安 35.6%(- 2.7%)
3位 雇用・労働条件 33.5%(+ 4.6%)
5位 医療・福祉 31.9%
8位 地域格差 26.5%
順位記述なし 外交 22.4%(- 8.9%)

問.現在の日本の状況で良い方向に向かっている分野は?
1位 科学技術 19.7%
2位 通信・運輸 18.9%
3位 医療・福祉 16.5%

この統計は、あまりあてにならないような気がする。
なぜか。
マスコミによって、センセーショナルに報道された問題が悪化の上位に来ているだけのようにしか思えないからだ。

教育の荒廃なんて、一部では少し前から言われていたけど、相次ぐいじめ自殺問題や問題教師の報道が相次いだ(正確に言えば集中豪雨的な報道によって、そういう風に刷り込まれた)ためのものだろう。
もっとも、普通の人はテレビや新聞報道から情報を得るわけだから仕方ないのだけど。

治安も外国人による犯罪、強盗殺人(最近は強殺と略すこともあるようで)、拉致監禁、暴行、キレる大人…と、これもキーワードに事欠かない。

雇用・労働条件もいわゆる「格差社会」という話題で出てくるし、他にも正社員と派遣社員、ワーキングプア、ネットカフェ難民という新しい形態のホームレスが出現もあるだろう。

医療・福祉は、医療事故、障害者自立支援法、妊婦がたらい回しにされた問題、産科不足、小児科不足、地方と都会での医療格差、無認可老人ホームにおける虐待問題とこれもキーワードに事欠かない。老人医療も制度を変えて自己負担が増加しているが、収入が少ない老人に対する手当てが課題になっている。

地域格差問題は、前項に書いた医療・福祉だけでなく、いざなぎ景気を超えたと言われているのに地方に景気回復が波及していないこともあげられている。

良い方向と言われている分野も、首をかしげる部分が多い。

科学技術は、今はそれなりにいいかもしれない。日本人からノーベル賞が近年出てきたり、青色LEDなど、また各企業での研究、論文数や特許件数を見ると日本は科学技術立国と言えるのかもしれない。

だが、将来に目を向けると決して楽観できないのは確かだろう。
子供の理科離れが相次いでいること、基礎学力が低下していることは、10年後にはボディーブローのように効いてくると思う。
企業の研究も基礎技術に関する研究よりも、利益が出やすい研究にウエイトを置いているため、これも将来にはダメージになるのではないかと思っている。

通信・運輸はブロードバンドの普及、モバイル通信技術などは堅調だと思う。運輸もきめ細やかなサービスの提供などで便利になったのは間違いないと思う。

だが、一方で、運輸分野では規制緩和とのトレードオフで安全性が脅かされていることを忘れてはいけない。
貸切バス(の形態を取る路線バス)での居眠り運転事故が少し前にあったが、規制緩和の影響で過当競争が発生し、そのしわ寄せが運転手にのしかかっている。その結果、このような事故・事故寸前の事態を引き起こしている。

旅客輸送である貸切バスを引き合いに出したが、貨物輸送のトラックでも同じような問題が起きている。

規制緩和には事後監査の仕組みがセットでなければいけないはずが、監査も追いついておらず、このような状況は決して良い傾向とは言えない。

通信分野でも、電話のIP化、光化の推進をどうするのか、ADSLは未だにNTT(東日本・西日本)に依存する状態となっている。これが、NTTにとって重しとなっている割に他の通信事業者は安価に解放することを求めている。インフラを維持するために相応の費用がかかるわけで、このバランスをどう取るのかが問題だと思う。

インターネット関連では、少し前のIT系ニュースでIPv6化が進んでいないことも明らかになっている。
IPアドレスは、インターネットに接続した際、世界中で唯一のアドレスを与え、それによって通信をするためのものである。(通常は、インターネットから切断した場合には、他の人が同じアドレスを使うようにして、資源を節約している。)
インターネット通信が普及するにつれて、同時につながっている数も増えており、その結果、IPアドレスの枯渇が懸念されている。

そして、もっと不可解なのは、医療・福祉分野。
悪いと回答する人も多いが、良いと回答する人も多いという。いったい、どっちが実像なんだ??と思うわけで。
こういうのは、イメージ・印象によるものなので、こういう事態起こるのも仕方ないのかな。と。
新しい施術方法、新薬の開発などによって得られているメリットを連想した人は「良い」と答え、「高齢者医療・福祉、医療過誤」などを連想した人は「悪い」と答えたのかもしれない。

こういう調査というのは、国民の人気取りのために、どの分野を重点的に手当てするかを決めるためのもの…という程度にしか私は思わない。

ここで書いたことは全てを網羅していると思わないが、このように再分析してみて、順位が低い項目でも「重要だ」または、「将来のために今から準備が必要だ」ということは積極的に手当てをして欲しいと思う。
順位が低くても、本当に大事だと思うなら、国民にしっかりと説明すれば、評価も変わってくるのではないかと思う。

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