判断材料をください

IT関連の依頼は専用システムを使って案件を管理している。

で、そのシステムでは、案件を他の人や組織に回すこともできる。

この中で、子会社チームから、

「可否判断お願いします。」

というのがある。

圧倒的多数は可否判断を求めるという体で、

「判断をもらった」

というアリバイを残すためなんだけど、判断を下す側にとっては、これほど迷惑なものはない。

まず、結論が決まりきっているなら、こちらの判断は不要である。無駄な仕事でしかない。

次に、アリバイを残すということは、責任逃れのためなんですよね。先に書いた通り、判断をもらった、指示を受けた。だから、やった(だから、私悪くないも~ん)

ってことでもある。

で、この類の案件の回送には2通りの書き方をしてくる。

プリンターのカード貸出依頼です。

可否判断をお願いします。

というパターンAと、

プリンターのカード貸出依頼です。

可否判断をお願いします。

貸出理由:カード破損に伴う再発行までの間の使用のため。

というパターンB。

パターンAでは、本文にも起票そのものにも、理由が明記されていません。

「可否判断求む」

と書いてありながら、可否判断をする材料がないのです。

パターンBは、理由が明確に書かれているので、これなら、即座に

「貸出を許可します。対応宜しくお願い致します。」

とでも返す。

私のところにこんな形で回ってきて、さらに判断に困る場合は、もっと偉い人に判断を仰ぐことになります。

この時は、原則として元の起票を読まずに済むように書きます。

○○様

下記起票の件、当方では判断しかねますので、ご判断をいただきたくメールを送りました。

【ご判断いただきたいこと】

・○○の使用許可判断

・○○の使用許可にあたり、制約事項、条件

【利用者の依頼事項】

利用者○○さんは、~のために、○○の使用許可を求めている。規則では禁止されているが、××という事情から特例で使用許可を求めるものです。

【判断に迷っている点】

・○○を許可するにあたり、セキュリティ上の懸念

・今回、特例を認めた場合に五月雨式に許可を求めてくる恐れがあることから、一定の歯止めが必要ではないかと考えています。

と、簡潔に概要をまとめた上で、何に迷っていて、何をして欲しいのかを明確に書くように意識しています。

相手は忙しい人ですからね、あちこち参照しなくてもいいように、自分が欲しい答えはどういう答えなのかを明確にして、何度もやり取りをしないで済むようにします。

ここまでは求めないけど、せめて、YES/NOを言えるような材料くらいは、どこかにないと、こっちも答えを出せないですよね。

判断をする側、決裁をする側の立場になって考えることが大事だと思います。その立場を完全に理解できなくても、意識するだけで変わると思います。

と、書いてもイメージできない人のために、ちょっとトレーニングです。

あなたは会社で予算管理をしている人です。

  • 時期は3月上旬。
  • 予算は少しだけ余っている。

そんな時に、1人の人から、

「予算ある?」

と聞かれました。

あなたは、この時、何を思い、どんなことをこの人に聞くでしょうか。

→その聞く内容が相手が判断するのに必要な情報です。

少し考えてから、この先を読んで下さい。

私なら、

  • 予算の使途は?
  • 金額は?(How much)
  • 予算の執行時期は?(今月中に使い切る=今期の予算、来期にズレそうか。)
  • 重要性は?
  • 緊急度は?

あたりは疑問に思います。

例えば、小額ならOKを出すかもしれません。多額だとちょっと考えます。

でも、法令遵守のために必要なものなら、予算を超過してもやらなくてはいけないかもしれません。

小額でも、さほど重要ではないなら、他の案件がないか他のメンバーに確認をした上で許可するかもしれません。

…と、相手は色々な要素で考えます。

判断や許可、決裁を求めるなら、相手が判断しやすいように材料を揃えるのは大事なことだと思います。

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