ご苦労様問題に思う言葉と不寛容
こんな事件があったそうで。
大阪ダブル選 投票管理者の「ご苦労さんです」に激高 「机の角を脳天に突き刺すぞ!」暴行容疑で会社員を逮捕
産経新聞 11月23日(月)22時2分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151123-00000552-san-soci
大阪府知事選の投票所で投票管理者を殴るなどしたとして、大阪府警は23日、公職選挙法違反(投票管理者への暴行等)容疑で大阪府茨木市の会社員の男(47)を逮捕した。「今回のことはやり過ぎました」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は22日午後7時45分ごろ、市内の投票所で机をひっくり返した上、投票管理者の70代男性の左側頭部を右手で1回平手打ちにし、「机の角を脳天に突き刺すぞ」などと脅迫したとしている。
府警によると、男は投票管理者が投票に訪れた有権者に「ご苦労さんです」と声をかけていたことに激高。「『ご苦労さんです』という言葉は目上の者に使う言葉ではない。俺は大阪府民として当然の権利を行使してるんや。謝れ」などと因縁を付けたという。
当時現場には市職員や投票者ら約10人がいた。男は現場から立ち去ったが、通報を受けた府警が捜査を進め、翌23日に逮捕した。
この「ご苦労様です」問題って、いつから年下が年上に使ってはダメってなったんでしょうね…。
いや、結構、昔は配達や検針の人に「ご苦労様」とか、奥さんが仕事から帰ってきた旦那に「お勤めご苦労様」なんて言ってたと思う。
それがいつの間にか、年上には使わないものという風になっているので、私も自分で言う時は「お疲れ様」を採用している。(年上・下関係なく)
ま、そこは本筋の話ではない。
そもそも敬語とか敬意表現というのは、敬う気持ちや敬意があって、それを適切に伝えるための道具に過ぎないんだよね。
だから、敬語はバッチリ使えていて正しいけど、そこに気持ちがなく、尊大な態度であれば、かえって失礼なこともある。慇懃無礼なんて言いますよね。形ばかりは立派でも中身が伴っていなくて、かえって見下しているように感じるようなこと。
この投票管理者は、別に
「俺が年上だ、よっご苦労!」
なんて気持ちで言っていたとは到底思えない。
「(休日に貴重な時間を使って投票してくれてありがとう。)ご苦労さん。」
そういうニュアンスだろう。
で、肝心なのは、そこにある気持ちなんだよね。
悪意があるわけでも、他意があるわけでもないのだから、(仮に)少々言い間違えていたとしても、そこはサラッと流して、
「ああ、ご丁寧にありがとう。」
と思えばいいことだと思う。
そういう風に捉えていたら、そこまで怒ることじゃないだろ?と思うんだよね。
これが会社とか、自分の仲間内で言葉遣いが間違っていたならば、それは、そっと教えてあげればいいだけのこと。
まぁ、こういうので怒ったり、ドヤ顔で物を言う人は、言葉は変遷していること、世代によって使われ方が違うということをご存じない、浅はかな知識を振りかざしている恥ずかしい人だな、不寛容な人だな…と思います。
ちなみに。
「ご苦労様」を目上にも使っているという話は、下記リンクの回答にもあるようです。知恵袋の回答ですので、参考程度に留めておいたほうが良いでしょうけど。
ご苦労様は目下から目上にも本来使える言葉だと、昔知恵袋で聞いたのですが、そういう説もあるのですか?(Yahoo!知恵袋)