とあるアイドルグループのスピーチで出てきたフレーズで、ある年は「努力は報われる」と言い、ある年は「努力は必ず報われるわけではない」というようなことを言ったとか言わなかったとか。

正直、私はこの辺の人たちのことは、あまり興味がないのだが、このフレーズには興味があるので、ちょいとコラム的に書いてみようかと思う。

私が一つ思ったのは、この人にとって、努力とは何であり、報われるというのは何だったんだろうか。

努力というのがアイドルとしての活動でレッスンしたり、ファン対応したり…というのは当たり前の話なんですよね。サラリーマンがビジネススキルを磨いたりするのと同じこと。

恋愛禁止だから、恋愛を止めて、私生活でも不祥事を起こさないように…と言えば、それも好き好んでその仕事を選んだのだから当然のことだろうし、他の人もそれなりにやっているだろう。

では、報われる（＝ゴール、目標）の定義は何だったんだろうか。

例のファンに金を使わせる株主総会的な投票ゲームで上位になることか、もっと上のトップを取ることなのか、それとも、グループの知名度が上がることか。

それによっては、充分報われている（＝ゴールに到達している）とも言えるだろうし、報われていないとも言えるかもしれない。

じゃあ、努力が必ず報われないと言うならば、この人のした努力では報われなかっただけで、それよりも上の人は、それ以上の努力をしていたかもしれないし、たまたま運だったかもしれないし、キャバクラ的に言うならば太い客に枕営業でもした結果かもしれない。

もっとも、枕営業も最近話題になった裁判では、営業活動の一環であり不貞行為ではないというのがあったので、これも努力と言えば努力なのかもしれないが。

努力したら必ず報われるなんて、教科書的にわかりやすい世の中だったら、恐らく大半の人はもっと幸せに過ごしているだろうと思うよ。でも、努力が無駄だと否定するつもりもない。

目標に対しては期待値を得られなかったかもしれないが、努力していることで得られるものもあるだろうし、そうして何かを得たから見える世界もある。

例えば受験勉強。

もし、受験勉強を必死になってすることを努力とし、志望校に合格することが報われることと定義するならば、努力（受験勉強）をしても他の人が良い点を取っていたら報われない（合格しない）。

でも、へこたれそうになった時に、

「あの時の受験勉強（＝努力）に比べたら、まだ頑張れるぞ！」

という風に思考できるようになったならば、結果として報われなかったかもしれないが、努力は無駄になっていなくて、ちゃんと自分の血肉になって別な機会に生きることだってある。

何よりも偶然だけで何かを得たとしても、実力が伴っていないと、すぐに陥落してしまうだろう。

努力は必ず報われるとは限らないけど、努力しない者がてっぺん取っていられるほど世の中も甘くない。

時の運もまた実力だろう。

運を引き寄せるのが日頃の行いであるならば、日頃の行いをちゃんとしようとする日頃の心がけによるものなら、それもある種の努力なのかもしれない。

そんなことを思ったのでした。