金融教育が必要かもしれない
この記事の書き方だと、投資信託を売った証券会社が悪いように見えるけど、投資は自己責任のはず。
投資信託“暴落”70銘柄
http://news.livedoor.com/article/detail/4008991/
所詮はヒュンダイの記事なので論ずるのも馬鹿らしいが、いくつか思うことを。
一つは、冒頭に書いたように投資信託を売った側だけが単純に悪いわけではないです。得体の知れない物を、セールストークに乗せられてホイホイ買う側もかなり問題ですよ。
「これからは投資の時代で老後のために株や投資信託で運用したほうが有利。貯金では、利息がほとんど付かないですから。」
確かにこう言われれば一見、その通りでしょう。
では、次のような言葉だったら、どうでしょうか。
「これからは円が弱くなる。ドルも弱くなる。ユーロも弱くなる。だから、新しい電子通貨を作って、流動性を高める一方で、紙幣・貨幣の発行の手間を省くことで、今の不況を脱することができる。」
もっともらしいと感じる人、胡散臭いと感じる人もいるでしょうが、こんな言葉で騙されちゃった人が円天とか買っちゃうタイプの人でしょう。
株や投資信託と円天は全く違いますが、共通しているのはセールストークに騙されることと、よくわからないものを、わからないままにして、行動を起こす点でしょう。
ここで、セールストークに基づいて株や投資信託について調べていたら、株や投資信託にはリスクがあることは理解できるでしょう。そういう人は、「セールストークに騙された」なんて言わないでしょう。
先の「電子通貨」の部分も調べてみれば、新しい電子通貨と経済の好転はあまり関係性がありません。あえて言うなら、弱体化したドルから、新通貨に移行させて、基軸通貨の座を守るために、まやかしを行うことくらいでしょう。(これは国家レベルでのインチキかもしれませんが。)
小難しい言葉や「電子通貨(電子マネー)」など得体の知れない、よくわからないものを使い出すと、騙されやすいようです。
もう一度、繰り返しますが、自分が理解できていないものは手を出すべきではありません。一旦、その場を離れ、冷静に考えてみるか、冷静な判断をできる人(それも、できれば複数で信用できる人物)に相談すべきです。
二つ目は、年齢によっても取れるリスクは違うはずですよ。
例えば20代の人が余剰資金(ある程度の貯金<流動性資金、決済性資金>)がある前提であれば、リスク度の高い株や投資は有用です。
でも、50代の人や退職金であれば、余剰資金であったとしても、リスク度の低い商品のほうが適切でしょう。例えば、定期預金や債券、国債なんかがそうです。
このカラクリは、働いてこれから稼げる余力がどれだけあるかという違いです。
20代の人は、ある程度の貯金が残っていれば、これから頑張って稼ぐことができます。(ここでは、勤務先の倒産や解雇というリスクは除外しておきます。)
しかし、50代の人であれば、残りの勤続年数が少ないので、働いて稼ぐことができる余力は少ないはず。この人がリスク商品に手を出して、失敗したらアウトですよね。
投資=株、投資信託と思っている人が多いですが、他にも色々な商品があること、商品によってリスクが異なることを知っておかなくてはいけません。
これらのことを総合的に考えると、金融に関する教育を一般の人を含めて受けるべきだと思います。
投資商品にも色々な種類とリスクの度合いがあるし、そもそも経済(お金)の流れがどうなっているかも知っておいて損はないでしょう。
「騙した」「騙された」「損した」の前に、もっと勉強をすべきでしょう。そのための、きちんとした教育が必要になってきているのかもしれません。