経団連会長・所得税減税を要望
しっかし、笑い話だな。
経団連:所得税を減税して内需拡大を
福田首相:企業の賃金を上げて欲しい。
どっちも、身銭を切りたくないんだよね。他力本願で景気が良くなると思っている。
労働者の立場としては、両方やってくれれば有難いが。
ロイターのニュースでは、子育て世代への所得減税を要望と書いていますが、違うソースを読むと、消費税引き上げを数年かけてやって欲しいとも書いている。
経団連会長、子育て世代への所得減税など要望=自民との懇談会で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000424-reu-bus_all
<経団連会長>「日本経済に強い危機感」自民幹部と懇談
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000088-mai-bus_all
なんだか、この2つを読むと
「所得減税を出してくれれば、経団連としては消費税引き上げを支援する。」
というバーターのような話にも聞こえる。
日本をダメにした経団連などと言われている。格差社会の元凶と言われているが、どうも、この流れも、やっぱり自分たちだけが儲ければ良いという考えのようだ。
この人たちには近江商人の三方良し(買い手良し、世間良し、売り手良し)を知らないのだろうか。
どうも経団連を見ていると、「売り手良し」だけに終始しているように思える。三方良しの順序は、お客様、社会、自社の順である。お客様が幸せになり、社会が潤い、そして、自社も潤うというのが三方良しの精神ではないか。今風に言うならCSRだろう。
自社がお客様や社会に役立つ商品を生み出し、お客様も幸せに、社会にも役立ち、自社も儲かる。ということだろう。
今日のニュースで日本の蚊帳がアフリカで役立っているという話題が出ていた。住友化学の蚊帳が好評で、住友化学は、「蚊帳事業は社会貢献が目的」と言う。国際機関は、事業継続のためにも、適正な利益を確保するように要請されている。だが、その利益をさらに学校建設などで還元している上に、工場で現地の人を雇用したり、直接の雇用ではないが物流などの周辺ビジネスも含めれば、相当な雇用を生み出しているという。
米TIME誌も「世界一クール」と絶賛!アフリカで売れまくる住友化学の“蚊帳”
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000002-dol-bus_all
まさに、これが「世間良し」じゃないだろうか。買った国際機関とそれを支給された人が幸福になり、雇用という形で社会が潤い、利益で自社が潤うのだから。(最後にはその利益まで還元しているので、差し引きゼロなんだろうけど。)
一方で、各社も色々とCSR活動をやっているが、ボランティア活動に近く、何だか企業のイメージアップキャンペーンに従業員がつき合わされているような感じや、地域や社会に対して、そういう活動で免罪符を買っているようにさえ思う。
本来は事業活動を通じて、買い手、世間、売り手が幸福になるのがCSRだと思うのだが。
さて、話を景気に戻そう。
戦後最大の景気と言われていたが、外需から内需にバトンタッチできなかったのも、労働者に利益を分配せず、内部留保や株式配当に消えていったからだろう。これのどこが「世間良し」なのだろうか。世間のことを考えていたら、従業員が潤い、その従業員が消費活動をして、社会全体が潤うという経済の循環(お金の循環)を起こさなくてはいけない。
経団連が政治家に物申すなら、自らも行動をすべきだ。
「自分たちの領域でできる範囲のことをする。だから、政治家のセンセイも政治の力で精一杯、日本経済と国家国民の幸福に尽力してください。」
という、論法があるべき姿じゃないのか。
春闘を蹴り、賞与さえも利益の割に増えていない。さらに期間工や派遣・請負の拡大で人材使い捨てを進めておいて、何が「所得減税を要望する」だ。冒頭に書いたとおり、身銭を切らずに親方・日の丸に頼ろうという魂胆が見え見えだ。
お前らが、ブクブクと私腹を肥やすなら、少しはこっちに金をよこせってんだ。
言ってることが、チャンチャラおかしい。国民もそこまでヴァカじゃないんだ。笑わせるんじゃねぇ!