偽エコ
このブログで書いたかどうか覚えていないが(最近、あちこちに記事を書いているので忘れるw)エコ替えなる言葉に私も疑問を持っていた。
トヨタ自動車のCMなのだが、まだ使えるけど低燃費の車に買い換えようというCMなのだ。
ネタ元の筆者と私のブログで書いた主張はほぼ同じようだ。
エコ替え?/敷浪 一哉
http://news.livedoor.com/article/detail/3705624/
オール電化の件は、このブログで書いていますし。
リサイクル商品の例では、製紙業界が、再生紙100%だとかえってエコじゃないという話題もありました。
オール電化は、どうも調べてみると原子力発電所は出力を変えるのが難しく、原子力発電所は最低限使われる電力(これをベース電力と言うそうです)をやっと賄えるかどうかというそうで、電力需要が増えれば、その分を火力発電所が中心となって電気を作るから、エコではないとか。
他にも製品の製造時に使うエネルギーを考慮することを筆者は主張していますが、これと同じ考えで私が指摘したのがバイオ燃料。
アメリカの大学か何かが調べるとバイオ燃料もガソリンも大差がないとか。
ならば、貧困層を苦しめることになっている今のバイオ燃料は良くないことになる。
むしろ、ゴミや雑草から燃料を作るほうが、エコじゃないか。
さて、話は先のエコ替えに戻る。
リサイクルでは、3Rと言う言葉が出てくるし、日本の廃棄物関連の法令でも望ましい順位というのがある。
リサイクルの3Rは、リデュース、リユース、リサイクルである。リデュースは、そもそもゴミを出さないという発想。製品がゴミとして廃棄される量を減らすこと。リユースは使用済みのもので使えるものは再利用するということ。リサイクルは、再使用さえもできなくなったら、資源として使うこと。
循環型社会形成推進基本法では、リデュース(ごみの発生抑制)、リユース(再利用)、マテリアルリサイクル(再資源化)、サーマルリサイクル(熱回収:燃やした熱を発電などに使う)、適正廃棄処分という順位になっている。
エコ替えの何が問題かと言えば、そもそも使える物を廃棄物にするのだから、循環型社会形成推進基本法の理念と逆行するのである。
つまり、法令の精神であれば、使える車はまだ使うということが大前提なのだ。エコ替えをすべきかどうかは次の算定式で判断すれば良い。
車を生産する時に使うエネルギー - (燃費の悪い車の推定耐用年数で使うエネルギー量 - エコ替えした車が同じ期間で使うエネルギー量)
この式で0以上の値が出れば、生産で使われるエネルギーのほうが大きく、エコ替えをすれば、かえってエネルギーを使うことになる。
これがマイナスになれば、燃費の差分を差し引いてもエコ替えをしたほうが良くなる。
日本国内では、若者の車離れから、車の販売は順調ではない。だから、買う気のない若者に必死でアプローチをするよりも、エコという聞こえのいい言葉を使って、必死に需要を喚起しようということなのだろう。
他にも、このブログでは、マイ箸もエコとは言い切れないことを指摘しているし、エコロジーの考え方にトータルエネルギー使用量という考え方も必要ではないだろうか。
IT・情報技術だと、初期導入費用(イニシャルコスト)と維持費用(ランニングコスト)の2つを合算して、TCO(トータルコストオペレーション)という考え方をする。これと同じようなものがエコロジーの分野にも必要ではないだろうか。つまり、製造エネルギー、輸送エネルギー、使用期間中のエネルギー、耐用年数からTEO(Total Energy Operation)を以下の公式で求めればよい。
TEO = 製造エネルギー + 輸送エネルギー + 使用期間中のエネルギー×耐用年数
そして、何らかの機関がこれらの情報が正しい計算であることを認証する仕組みもいるだろう。そうしないと、エコ偽装という問題も出てくる。