車を持たない理由
ネタ元の記事は、一見もっともらしいのだが、もっと根本的な問題があると思う。答えは簡単。車を持つ=ローンを抱える=生活が心配なのにローンどころではない。早い話、金がないのである。
実際、私も少し前の記事で原付自転車を買うのでさえ、どうしようかとためらっている位だ。私は、それなりの収入もあるはずだが、未来に希望が持てない中で、蓄えをしていく必要もある。
そうすると、必然的に大金をはたいて物を買い、ローンを抱えるようなリスクを避けるのである。
さらに、これだけ若年層の購買意欲が低下すれば、欲しければ盗んでしまえという発想が出てきてもおかしくない。せっかく買ったものを盗まれて、ローンだけが残るなら、これほど哀れなものはない。
所有する価値から、実用的な価値というレベル以前というのは、そういうことである。実用的な価値があるなら、軽自動車であっても若い世代は買う。でも、実用的な価値を認めつつも買えないというのが現実ではないだろうか。
さらに、周辺環境を見渡せば、もっと都合が悪い。
ガソリンは空前の高価格で、今やリッター150円になっている。揮発油税を撤廃すれば、100円近くまで下がるが、これもどうなることやら。
車は、持っていれば車検も必要だし、保険(対人、対物、自動車そのもの)もかかる。
そうすると、乗らなくても維持費は結構かかる。今の若い世代の可処分所得を見れば、こんなものが負担できるわけがない。
若い世代の所得を増やすことと、明るい未来があることを政治が示さなければ、所得が増えても貯め込んでしまう。歳を取ったら、年金でちゃんと生活できるとか、障害を負っても生計を立てられて、少々の趣味を楽しむことができるとか、本当にささやかな幸せを保障されなければ、お金を使ってくれないと思う。
車を持たないのではなく、持てない。これが真相ではないだろうか。
第11回 車を持たない若者達の背景:所有価値から使用価値へ
http://news.livedoor.com/article/detail/3367247/