日本人は仕事に熱意がないらしい
日本人は世界で最も仕事に熱意がないと言う。次に香港人、韓国人と続く。
逆に、最も熱意があるのはメキシコ人、ブラジル人、インド人、アメリカ人だとか。
これを見て思えるのは、どうも先進的な日本、香港、韓国と、現在、新興地域であるメキシコ、ブラジル、インドという対極のようにも見える。
日本だって、かつては「モーレツ(猛烈)」という言葉があったくらいで、がむしゃらに働いていたと思う。そこには、夢も希望もあったはずだ。
新興地域は「頑張ればきっと未来は明るい」という希望が原動力なのではないだろうか。
その一方で、既にピークに達した感がある国は、
「そんなに頑張っても。」
という意識が働いていたり、極端に細分化された仕事にやりがいを見出せないのではないかと思う。
まー、アメリカ人が熱意があるってのは、ある意味「自分たちがリードしている」という幻想の中にあるからじゃないんですかね。
さて、日本人の仕事への熱意がなぜ低下しているか。ということも論じておいたほうがいいだろう。
冒頭のほうに書いた、右肩上がりの時代は、「頑張れば明るい未来がやってくる」という希望に満ちていた。
人々の幸福の定義は、このように変遷していったと思う。
食べるものに困らない(戦後直後)
↓
モノが手に入れられ快適な生活ができる。(いわゆる三種の神器)
↓
もっと便利なモノが手に入れられて快適な生活ができる(新・三種の神器)
↓
モノは充足したので、食やサービスへと広がる
↓
モノにあふれるが気づけば心が荒んでいる→精神的な充足(癒し、つながり、連帯、思いやり)へ
日本人のケースを書きましたが、恐らく、この流れは似たり寄ったりだと思います。
まずは、幸福の価値観がこのように変わることで、仕事=お金=モノだけがすべてではないと思ったことが原因の一つにあるでしょう。
もう一つは、日本固有の問題かもしれませんが、近年言われている、労働者への分配が抑制されていることだと思います。
つまり、「頑張ったら明るい未来がある」と言うのは「頑張ったら報酬や福利厚生によって報われる」と言い換えることができるのですが、労働分配率の低下により、そんなことを思えなくなってしまったため、従来の御恩と奉公の関係から、敵対関係になりつつあるために、意欲が下がっているのではないでしょうか。
また、幸福の定義の進化が逆戻りしていて、今は、心の豊かさを追い求めるどころか、職を失ったら住居さえもままならず食を失うことになりかねない。というレベルまで後退してきているのだと思います。
人々は、失意と疲弊の中にいて、熱意どころではない。これが日本の現状なのではないでしょうか。
仕事に熱意を感じるグローバル企業の社員は20%=調査
http://news.livedoor.com/topics/detail/3355447/