埼京線に痴漢防止カメラ設置へ
実効性は低いと思いますね…。
埼京線に痴漢防止カメラ、年内にも一部車両に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091214-00001151-yom-soci
防犯カメラに対する幻想が警察にもJRにもあると思います。
防犯カメラは、犯罪を抑止・予防する効果は小さいです。リアルタイム監視でもしていない限り、防犯カメラは心理的な抑止効果しか望めません。
「ちょっと魔が差した」というタイプの突発的な犯罪行為や、犯罪初心者(この表現も変ですが)には、「顔がバレるかもしれない」という抑止効果は期待できます。
しかし、痴漢関係のWebページを調べてみると、チームプレイで痴漢行為をしているケースがあります。
例えば、複数の男性で取り囲んでしまい、女性が助けを求めにくい状況を作ったり、そもそも痴漢行為を他の乗客から見えないようにしてしまう…ということが行われています。
このような計画的な故意犯には抑止効果は期待できないでしょう。
まず、警察やJR、女性客にとって、防犯カメラが設置されれば被害が減ると思ったら、大間違いです。
次に、防犯カメラは犯罪行為があったことの証拠や犯人特定のために使われます。こっちが防犯カメラの本当の役割だと思います。
ですが、満員電車の天井や網棚にあるカメラで、犯罪行為の証拠にはなるでしょうか?
例えば、女性の陰部を触っていた場合。
残念ながら、女性の陰部の位置にカメラもなく、どの人物が陰部を触られているか特定困難です。
天井や網棚という上部ですから、胸を触っていた場合や上半身の着衣を脱がせるなどの行為は捉えられるかもしれませんが。
また、満員電車の中で被害者がどの列車のどの車両のどのあたりに乗車したかまで明確に覚えていて、そこに防犯カメラがあったとしましょう。
確かに被害者はうつむいて痴漢行為に耐える様子が写っているかもしれません。
でも、どの人物が犯人かは、特定困難です。痴漢が真後ろから、お尻や陰部を触っているとは限りません。
そうすると、新たな冤罪や、警察から疑われたというだけで風評被害を受ける男性が増える可能性があります。
今の時代、「警察から事情聴取を受けた」というだけで、左遷や冷遇をされる可能性だってあり得ます。そういう情報は広がるのも早く、名誉の回復は困難でしょう。
ひどい場合、推定無罪の原則があるのに、被疑者でもない段階で解雇や謹慎などの処分を下すケースもあるでしょう。
その場合、警察は何かしてくれるのでしょうか?JRが何かしてくれるのでしょうか?
痴漢被害も大事ですが、一方で冤罪や痴漢被害を利用した虚偽の被害申告も大事な問題のはずです。
それとも、男性は乗車したら、自ら手錠でもかけて、
「私はケツも、マ○コも、乳も触れる状況じゃありません」
とでも、しなくちゃいけないのですか?
だったら、あんな殺人的な混雑が起こらないように、全席着座できる状態にして、隣の人と触れないように座席を隔離して欲しいもんですね。
犯罪を起こそうと思っていない男性だけが怯えながら電車に乗り、痴漢自体は思ったほど減らない…という結果を招くのではないかと思いますね。
最近、通勤時間帯の電車に乗ることが多いので、痴漢に間違われないようにするのも結構、疲れるんですよ。「疑い」だけで人生棒に振りたくないですからね。