Winnyで家族崩壊?
実録風だが、作り話のように思う。Winny漏洩で依願退職まで追い込むかね。故意犯ではない以上、減給・謹慎くらいが限度のような。
Winny利用の果て――家族崩壊した銀行マンの悲劇
http://news.livedoor.com/article/detail/3972416/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000017-zdn_ep-sci
本文は長すぎるので、この事例をまとめると・・・
1.支店長はUS Bメモリーにデータをコピーして自宅のパソコンで仕事をした。
2.Winnyで銀行のデータが出回っていた。調査の結果、この支店長が作成した文書だった。
3.自宅パソコンはWinny暴露ウイルスに感染していた。
4.支店長自身はWinnyを使っていなかったが、長男が自分のパソコンが壊れていたために勝手に支店長のパソコンを使った。
5.その結果、依願退職し、長男は家を出て、妻とは離婚。
ということだ。
livedoorのコメントでは、長男が悪いという意見が多かったので、私はあえてコメント欄では、次のように書いた。
「馬鹿息子も悪いが、この父親もウイルス対策をきちんとしていたのかも疑問。よほど最新のウイルスでもない限り、ウイルス対策ソフトを自動的にアップデートするようにしていたら回避できたのでは?業務を自宅でする割には注意不足のような。」
コメント欄には文字数も限られるので、言いたいことはかなりあったが、コンパクトに、かつ、あえて違う視点を提示した。
このブログでは、いくつかの問題点を示そうと思う。
1.そもそも機密書類をUSBメモリーで持ち運ぶことが問題。
Winny暴露ウイルス以外にもUSBメモリーの紛失や盗難というリスクもある。情報には、レベル分けをし、一般、秘密、極秘などと分類すべきだろう。今回は機密情報ということだから、秘密または極秘だったのではないだろうか。
ならば、そのような書類を持ち出すこと自体、本来は回避するのが正解ではないだろうか。
2.ウイルス対策ソフトなどの最低限の対策を行っていたか。
私がコメントで書いたとおり。確かに、Winny暴露ウイルスは次々と亜種が登場しているのは事実。しかし、ゼロデイ攻撃や超最新のウイルスで無ければ、ウイルス対策ソフトを入れ、ウイルス定義ファイル(パターンファイル)を定期的に最新化されていれば、かなり回避できたはず。
ウイルスはインターネット以外にも、書籍のCD-ROMやUSBメモリーから感染することもあり、インターネットに接続していなくても、導入し、メンテナンスする必要がある。
3.ファイル交換ソフトの使用は避けるべき。
これは事例では、長男に当たるがファイル交換ソフトの使用は避けるべき。ウイルスやマルウェア以外にも著作権の侵害行為によるリスクもある。
システム面以外だと・・・。
4.自宅に業務を持ち帰ることは、労務管理上適切ではない。
過労死なんかした場合には、会社がそれを命じたのかという問題にもなりかねないし、超勤が多ければ、会社としても手を打てたという主張をされる可能性もある。
管理者にとっては、勤務実態が見えないことは望ましいことではない。風呂敷残業は双方のためにならない。
5.情報の分類と取扱基準を定める
途中でも書いたが、一般情報、秘密情報、極秘情報などのランク分けとそれに応じた漏洩対策をする必要があった。
例えば、今回の場合、秘密情報は自宅パソコンでは業務を行わせないことや、輸送の際のUSBメモリーは暗号化やパスワードロックをすること、ファイル自体の暗号化など漏洩しても読めないようにする対策も必要だったのではないだろうか。
また、自宅パソコン(私物パソコン)での業務を禁じる代わりにUSBメモリー状のドングルを差し込むことで、私物パソコンをシンクライアント化する製品もある。このような仕組みを活用する方法もあったはず。
このようなルール化、仕組みの構築はシステム部門や情報管理の点から総務部門が協同して制定するのが望ましいだろう。
もう少し踏み込むと・・・。
6.自分が悪いくせに大学中退する長男の教育はどうだったのか。
そもそも、問題の発端は、あれだけ報道されているファイル交換ソフト・Winnyを使っていた長男にある。そこで喧嘩をしてみたり、家を出たりするように育てた、親としての役割はどうだったのだろうか。
7.生活水準が下がったことが不満で逃げ出す妻もどうなんだ。
ピンチの事態が起こっている時に、
(1) 自分も協力する。
(2) 他の人に責任転嫁をしたり、逃げ出す
という2パターンの人が多いと思う。残念なことに、この妻は(2)だったようだ。こういう時に、節約料理を考えて食費を安く済ませたり、自分がパートに出るとか、そういうこともできたはず。
Winny騒動は、きっかけであって、この家にそもそも絆は無かったのだろう。ピンチの時ほど、それが如実に出てくるものだ。その人間の本性もね。