自傷行為を告白する芸能人
芸能人の位置づけが、はるか上の特別な人から、手が届きそうで届かないくらいの距離感だったり、等身大の自分を見せるようになってきているせいか、自傷行為を告白する芸能人が増えてきている。
確かに芸能界という水物商売だから、一寸先は闇だろう。何かのスキャンダルがあれば、途端に姿を消してしまうような不安定な仕事だし、プライベートも自分の好きなことができない。精神的に大変な仕事だろう。
だから、精神的に追い詰められた結果、薬物に手を染めたり、自傷行為に走ってしまうこともあるかもしれない。
だけど、それをブログで公開してしまうのは、本当に良いことだろうか。
芸能人という人々に多くの影響を与える人だ。ましてやブログで親近感を覚えている人が、そういう記事を見てどう受け止めるだろうか。
そういうことを考慮して書いている人もいるだろうし、そうじゃない人もいるかもしれない。
一番恐いのは負のスパイラルが起こることだ。例えば、自分が追いかけている芸能人が自傷行為をした。その痛みを理解しようと自らも自傷行為に及ぶなんてことを想像するのは杞憂だろうか。
さらに恐いのは、自傷行為が悩んだ人が追い詰められた末にやってしまったことなのに、自傷行為の告白をカッコいいと思ってしまって、自傷行為がファッションのようになってしまうことだろう。
後追い自殺ならぬ、後追い自傷行為だってあり得る。
日本人はマイナスから、這い上がる人に対して感情移入して応援する傾向がある。例えば、不良が更正して甲子園を目指すとか、不良が更正してラグビーの聖地・花園を目指すとか、そういうのが大好きだと思う。
自傷行為の告白も苦労し自傷行為をするまでに落ちて、そこから這い上がる様を見せていくと、感情移入して応援してくれるだろうという打算だったり、話題づくりだったり、そういう自分に酔っているのではないか。
「リストカット」に「自傷行為」 なぜ次々芸能人が告白するのか
http://news.livedoor.com/article/detail/3789162/