いい加減に学習しなさい(震災関連)
余りある善意に被災地困惑(新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=1261
また、後先を考えず、モノを送る人、企業が後を絶たないようだ。
私のブログ(2007/07/16 大地震…決して他人事ではない)でも、モノは余ることも考えられると指摘している。
一応、自分の文を部分引用すると…
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まず、物資は余ることが想定されるので、送る前に何を欲しているか把握することが望ましい。一番の支援はお金かもしれない。お金は余って処理できないということはないですから。
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と、書いている。
中越地震でも、欲しているモノと送られてくるモノのミスマッチで倉庫が満杯になったことが問題になっていたし、余って使われないモノとはいえ、善意で送られたものを廃棄するのも忍びないので、なかなか担当者は大変だったと記憶している。
メディア報道で震災の生々しさや被災者の心情を考えると、物資を送りたくなる気持ちはわかる。
でも、こうした過去の教訓を全く生かさないで、一方的に送りつけるのは善意の押し売りになると私は思う。だから、最後に被災直後だろうと、その後でも絶対に必要になり、場所が取らないお金が一番の贈り物だと指摘している。(お金は現金送付でなければ、金融機関に電子情報として残り、払い出す時に現金になるだけである。)
このような事態を防ぐために、こういう仕組みを作れないだろうか。
1.物資の送付先は被災地に直接ではなく、被災地に比較的近く、交通網が正常に動いている場所にする。(これを物資拠点センターと名づけよう。)
2.ここで、物資を振り分けて、ダンボールに詰め替える。ICタグデータを入力し、箱に貼付。トラックには、物資カテゴリ別の輸送ではなく、必要なものを混載したトラック(例:食料品と衛生用品と医薬品)を被災地~物資拠点センター間をピストン輸送する。
→これで、往来するトラックの台数を必要最小限にできるため、渋滞緩和になり、その分を救助隊員や緊急性の高い負傷者搬送にトラフィックを振り分ける。
3.在庫管理には、ICタグを使う。ダンボール単位にリライト式タグを貼付。タグの印字面には内容物と個数を。タグのデータにも内容物と個数(または、そのコード)を入れておく。倉庫からトラックへの積み込みへの経路上にリーダーを設置。UHF帯ICタグであれば、通過するだけで出荷情報が出る。(つまり、リアルタイム在庫を把握できる。)
ポイントは被災地ではなく、被災地に近くてインフラがしっかりしている場所を拠点にする。ということだろう。
在庫管理は、出荷のポイントを被災地ではなく、出発時にすることで、被災地での作業をカットする。
被災地では、電力も機械も、そして、人的リソースも不足していると思う。だから、余裕があって、輸送距離を最短にできる場所を拠点とするのがポイント。
この方式の問題点は、どこが拠点になるか。という問題だろう。
被害が少なく余力のある自治体が、積極的に名乗りを上げて、体育館などを物流拠点として開放してくれれば問題はないが、そうでないと、拠点が細かく分かれたりすると効率が落ちる。
隣接県と防災協定を締結しておき、非常時には、このような体制を取れるように改定するのも方法かもしれない。
現状の防災協定は県を超えて消防・警察・救急の協力を得られる。あるいは物資の供出というモノが大半だと思うので、物資管理も含めてみるのはどうだろうか。