内閣支持率続落
期待と現実のギャップ以前の問題でしょ。
<平野官房長官>内閣支持率続落を分析
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100315-00000024-mai-pol
第1点に「期待と現実のギャップ」と言っているけど、それ以前の問題。
やるべき政策をやらず、どうでもいい「外国人参政権」だとか、「夫婦別姓」だとかをやっている。例えば、国民の生活実感からすれば景気対策や雇用確保が最優先課題のはずだが、その点については、前政権(自民党政権)からの継続案件ばかり。独自性が見えているとは言い難い。
また、普天間基地問題についても、なんだかフラフラしている。5月をリミットにしているが、その前に訪米する日程がある。ここで普天間基地問題の政府案くらいは持って行きたいと思いっているだろう。それに間に合うように「3月中に政府案をまとめたい」と言っているが、何かプランがあるとは思えない。単に尻に火がついてデッドラインを決めただけという感じ。
陸上案か、海上案かという問題も、そもそも海上案が出たのは、民家への影響を最小限にするためで、陸上案となれば今の普天間基地よりは住民の影響が小さくなるという程度。だとすれば、陸上案なんかあり得ない話でしょ。とにかく、ご都合主義だな…と。
こういう点からも、この政権に対して信頼できないと思うんだよね。
次に、マニフェスト自体が大風呂敷を敷いているのに、その前提条件が整っていないのに強引にやろうとしている。
その典型が、こども手当だろう。こども手当の前提は事業仕分けによる無駄をカットして捻出できた金を使うはずだった。
ところが、その目論見が外れ、予想以上にカットできなかった。
事業仕分けが無駄だったと評価するつもりはない。これは、政権与党にならないと、全貌が見えないこともあり、仕方ない部分もある。
だが、その前提条件を満たせないなら、満たせないなりのやり方をしなきゃいけない。
にも関わらず、子供手当てに妙にこだわっている。
そもそも、直接給付をすれば、子供がいない家庭や独身世帯からのヤッカミも起こる。ましてや、若い世代を取り巻く環境が厳しく、子供を作りたくても作れない、結婚したくてもできないという状況となれば、文句を言う気持ちも理解できる。
ならば、働きながら子育てをしやすい環境の整備として、保育所を増やすとか、そういう政策にお金を割り振れば、働き口も確保でき、子育てしやすい環境も作れて一石二鳥ではないか?
なんか、大衆迎合的(ポピュリズム)な政策…言い換えればバラ撒きばかりで実効性が乏しい政策をパフォーマンス的にやっている。そういう印象が強いのだ。
ましてや、そのために赤字国債を発行しまくって、未来の日本を支える子供達に借金を負わせることが良いとも思えない。手当を受け取る親だって、そんなことまでして手当が欲しいとは思えない。
今の国民が、目先の利益だけを追求しているとは思えない。小泉改革の痛みを国民が受け入れたという前例がある。
求められているのは、バラ色だけのマニフェストではなく、現実を見据えて、しっかりと説明の上に成り立つマニフェストだと思う。
民主党のマニフェストはバラ色だけど、実現は困難だと思う。そして、大風呂敷を敷いたツケはレバリッジ(てこ)を伴って、自らに返ってくる。「期待していたのに、全然、政策が実現できていないじゃないか。」と期待の分だけ、国民は失望する。
一度、優先順位を見直して、緊急的に手を打つべき事項と、応急措置でできた時間の間に措置すべきことを仕分けて、粛々と政策実現をしなければ、この政権の支持率が浮揚するとは思えない。