今日の救命病棟24時、考えさせられるな…
と、言っても、日本の医療ではなく、組織論として考えさせられたな…と。
以下、ネタバレを含む恐れがあるので、まだドラマを見ていない方は後にしたほうがいいかな。
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(そろそろネタバレなので引き返すなら今だ!)
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(これが最後。本当にネタバレあり。)
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研修医・工藤が睡眠導入剤を使い、それでも必死に頑張り、現場で失敗して(実際は失敗でもないのだが)ショックを受けて酒に溺れて階段から転落し、救急搬送されてきました。
そして、その後、沢井(ユースケ・サンタマリア)が、進藤(江口洋介)に辞めるように迫る場面と、「みんながあなたではない。あなたが先頭を走れば、息切れし、ついには倒れる者が出てくる」と言った場面もありました。
ここが、今回のテーマ。
私は、工藤の立場になったことも、進藤の立場になろうともしています。
私がまだ若い頃、朝早く来て、夜は最後のほうまで残っているのが普通の生活をしていました。ドラマのような工藤のような仕事し過ぎ状態です。(しかも、当時は自分の勉強のためということで勤務表は定時にしてました。)
そして、身の回りには、劣化ウラン弾という進藤のような位置の人がいました。
確かに、劣化ウラン弾はそれなりに仕事ができる人でした。でも、彼のそばにいると、劣等感を感じてしまう。どんどん自信を失っていき、精神的にかなり追い込まれた状態になったこともありました。焦りも感じていました。
進藤と劣化ウラン弾が違うのは、劣化ウラン弾は私を嫌い、質問には全く答えないくせに、私ができなければ罵倒していました。そして、私も劣化ウラン弾は尊敬に値しないと思っていました。ここはドラマとは正反対です。
進藤と劣化ウラン弾が共通するのが沢井のセリフでしょう。
「あなたが先頭を走れば、息切れし、倒れる者も出てくる。」
要するに自分の技量で物を考えて、走ってしまうのです。これは、リーダーとしてはダメなのです。
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私は今、同い年の人と二人で新しいシステムについて学び、検討をする仕事をしています。
私のほうが技術的に明るいこと、社員なのでリーダー役をしています。もう一人は女性ですから、進藤と小島(松嶋菜々子)の関係に近いかもしれません。
別の仕事仲間からは「天才」と呼ばれることもあるし、「すごい」と賞賛されることもあります。でも、自分では天才ともすごいとも思っていないのですが。(もっとも周囲も持ち上げて言っているだけのように思いますけどね。)
ここに最大の落とし穴があると思ったんです。
「自分では自分のことを普通だと思っているが、周囲からは天才と思われている。」
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「自分ができることは、他の人ができて当たり前だと思ってしまう。」
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「自分の目線でモノを言い、(当たり前だと思っているから)無理を押し付けてしまう。」
という落とし穴があるんじゃないか。と。
私は最近、意識して何度も言う言葉があります。
「最初は誰だって何も知らない。だから、知らないのは当然なんだ。私だってこのシステムのことは知らないことだらけだ。だから、一緒に頑張っていこう。」
と。
自分のペースで走るのではなく、一緒に走れるように目線を下げていくこと。言うなれば伴走するような感じでペースを作ること。
自信を失わせず、どんどん体験・体感させて、興味を失わせないようにしながら、意欲をキープさせること。
そのために、意識的にこうした発言をしているのです。
私はわからないことを聞かれた時に答えられるように裏で勉強をしたり、調べたり、一歩高い位置にいるようにしているけど、上から下を見下ろすようにしないで、それでいて目的を完遂できるように進行していくように心がけています。
少しずつ越えられそうな課題を作ったり、テーマを考えたりしてね。
この考え方は、eラーニング導入時に習ったID(教育設計)やメンタリングの考えを応用してみました。
教育設計の中で「受講者主体」ということを習いました。新しいことを学ぶのですから、教育の考え方は使えると思ったのです。
その一方で、つまづかないようにして伴走するように(寄り添うように)近くにいて、乗り越えられる課題を出しながら、少しずつレベルを上げていく考え方はメンタリングの起源とか、メンタリングの話で習った考え方を応用してみました。
これらをベースに、リーダーシップとかチーム運営ということも加味して自分流に仕上げてみたのです。
コミュニケーションもかなり重視しました。わからないことが聞けるようにQ&A掲示板を作ったり、Wikiによる用語集を作ったり。掲示板やWikiは後に同じシステムについて学ぶ人にとっても大事な資料にするという目的もあります。
出かけたときには食事やお茶をして公私問わず何でも話せるようにしてみました。それ以外の場面はメールも活用してます。(これは、他の仕事で関わる人にもよくしてますね。)
日頃のコミュニケーションが出来ていないのに仕事のコミュニケーションができるとは思えないですからね。
メンタリングの考えを応用したと書いたけど、ここだけは原則とは違います。メンタリングだと受講者からプライベートの相談などは「範囲を逸脱している」として断るのが原則と習いましたが、プライベートの話もOKにしています。だから、先の説明では、「これらをベースにして」と書いたのです。
プライベートのことが仕事に影響するようでは困るのですが、話したり相談して楽になるなら、これは聞いて、アドバイスできることはアドバイスするようにしています。
考え方はこれらの理論を取り入れているけど、根底は「親分」であり「アニキ」ですね。「何でも、どーんと言って来なさい」って感じでね。
チームを率いるリーダーとしての立場は進藤ではいけないのです。確かに優秀だし、立派だけど、沢井が言う「ペースが遅くなっても、みんなが走れる。」ようにしていかなくてはいけないと考えています。
仕事の意識は進藤のように、でもリーダーとしての立ち振る舞いは沢井の考え方を持つ必要があると思っています。