記事をブログに無断転載 男を逮捕

このブログも無断転載や無断転載に近い状態での利用をした場合は逮捕される可能性があります。ご注意を。

ネット記事をブログに無断転載 男を逮捕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000043-zdn_n-sci

記事の一部を引用すると、

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の発表によると、千葉県警は5月29日までに、ポータルサイトに掲載された記事を無断で自らのブログに転載した著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで、大阪府高槻市の会社員の男(54)を逮捕、送検した。

こういう事例があるということで、悪質な無断転載者に対してはブログサービスの提供元に対して記事の削除要請をしたり、警察へ捜査を求めることも可能だということもわかったわけですし。

ただ、気に入らないのは、なぜ「会社員の男(54)」という表現なんでしょうか。私のようなブロガーにとって、人の文章をタダで盗んだ窃盗犯みたいな奴ですから、実名報道をして欲しいものです。そして、社会的にも制裁を受けるべきだと思います。

と、言うことで、世の中のブログを見渡すと、この事案に近い行為をしている人が結構いるんですよね…。

もちろん、正当な行為である引用は無断転載とは言いません。引用にはルールがあることをご存知でしょうか。著作権法では次のように書かれています。

(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

引用は法で認めているんですね。ただ、この条文では、「その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」と書かれていて、曖昧なんです。

公正な慣行って何?

報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内ってどこまでが正当な範囲?

それから、国の文書類や広報資料などは引用禁止を明記していなければ引用して良いとも書いています。法律の条文もこれに該当するので、こうして引用しているわけです。

公正な慣行とか、正当な範囲内というのは、概ね次のような条件があると言われています。

1.引用する必然性がある。

例えば、ここまでの記事では、ニュース記事の一部を引用していますし、著作権法の条文を引用しています。

これは、この記事を書く上で、必要な情報だから引用しているわけです。論評するための発端となる話題としてニュース記事があり、説明のための条文を引用する。こういうのは必然性があると言えるのです。

単に面白いから、単に検索エンジン対策で、私のブログや他の文章等をベタベタと貼り付けている輩がいますが、それは必然性を満たしていないため、引用における公正な慣行とは言えないのです。

このため、著作権者(私のブログ記事の場合、私)が「著作権法違反をされている。」と警察に言い、それが事実であると判断され、裁判所の令状が出れば、プロバイダーやブログサービス・ホームページスペース等を提供している会社に対して情報開示を求めることができ、そこから誰が著作権を侵害した人物かを特定し、逮捕することも有り得ない話ではありません。

ちなみに、著作権は文書や絵、音楽など作品を作れば自動的に発生する権利なので、文書を書いて公開しただけで、その作者に権利があるのです。

2.主従関係でオリジナルの文が主であること。

ニュース記事や条文を引用していますが、内容(質)は圧倒的に私が書いたオリジナルの文のほうが多く、文字数(量)もオリジナルの文が多いです。

このようにオリジナルの文のほうが質も量でも主であり、引用された文章は従の関係にならなくてはいけないのです。

これは、過去に裁判の判例で質と量で自分の文が主であり、引用された文章が従でなければならないとなっています。

3.引用部分を明示すること。

例えば、カギカッコ(「」)で引用文をくくったり、Webページの場合は、引用に用いるblockquoteタグで引用範囲をくくる、文字の色や書体を変えるなどの方法で、オリジナルの文と異なることを示す必要があります。

そうしないと、どれがオリジナルの文かわからなくなりますからね。

4.出典の明示をすること。

ニュースの記事によると~とか、著作権法によると~と、この記事の場合は、引用前に示していますが、他にも引用範囲の最後に

(××作○○ 123ページより)

などと書くなどの方法もあります。これも出典を明記しないとオリジナルと区別がつかないですからね。

5.正当な範囲内で・・・要するに丸写しや必要以上の引用はダメ

私が小説家で、小説を紹介するブログで、小説が全部あるいは、かなりの部分を引用されたらどうなるでしょうか?

小説を買わなくても済みますよね。そうすると、本来、対価を受け取るべき作者に対価が入らなくなってしまいます。

著作権者が不利益を被らないように、必要以上の引用をしてはいけないことになっています。

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よく「○○(キーワード)に関連したブログを集めてみました」などとタイトルをつけて、検索したのか、RSSフィードの全部または一部を掲載しているスパムブログがありますが、これはグレーゾーンな気がします。

クロな理由

1.オリジナルな文がほとんどなく、主従関係では、各ブログから引用した文のほうが多い。

2.論評や研究など引用する正当な目的(必然性)に乏しい。

3.どのブログから引用したのか明記していない場合がほとんど。(続きを読む)でリンクをしているケースがあるが、「自サイト内の文書の続き」だと錯誤させる要素でしかなく、出典の明記とは言いがたい。

4.引用部分が書体の変更等により明確になっていないケースが多い。

一方で、シロな理由も無いかと言えば、

1.リンク集の変則パターンである。(つまり、そもそも引用をしていないと主張)

くらいでしょうか。

ただ、こうしたブログは世間ではスパムブログの一種として認識されています。

法的にクロに近いシロだとしても、道義的・ネット上のルールやマナーから逸脱した行為は悪いことです。

こういうブログは無くなって欲しいですし、今後はブログ運営会社への通報を強化して、私の著作物の保護をしていこうかと考えています。

その一方で、正しい引用方法に基づく引用は歓迎します。それは、有益な情報であったり、論評に必要な情報として認知していただいたのでしょうから。学術論文では参照数や引用数が多いものほど、高く評価されるのと同じで、これは名誉なことです。

正しい引用方法を理解して、お互いに有益な情報を発信できるようになることを強く望んでいます。

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