今度はムーンライトえちごが廃止危機
夜汽車という言葉もいつかは消え行くのでしょうか。
相次ぐ夜行列車廃止…今度は「ムーンライトえちご」
http://netallica.yahoo.co.jp/news/58997
定期運行をしている夜行快速の2つ。ムーンライトながら(東京~大垣)とムーンライトえちご(新宿~新潟)が両方とも危機を迎えています。
確かに新幹線や特急、さらには高速バスが発達してきて、夜汽車の需要は減ってきているかもしれません。寝台特急がそのいい例で次々と廃止されています。
だけど、夜行快速は貧乏旅行にはつきもの。学生で旅好きな人には、有難い存在だと思うんですけどね。
高速バスは確かに安い。でも、時々、運転停車をする見知らぬ街の駅で何があるんだろうと思い、退避待ちもかねた長時間停車で近くのコンビニで食料を調達することができるのは夜汽車なんですよね。高速バスじゃトイレ休憩や乗務員交替はあっても、その時間じゃお店も開いてませんから。
新幹線は早くて便利。でも、景色が楽しめない。あっと言う間に景色が変わり、そこに旅情という言葉はない。夜汽車が出る頃、都会の街明かりを眺め、次第に寂しくなる景色。漆黒の闇に星や月が浮かぶ。そんな星空を眺めながら、これから目指す街に思いを馳せる。
やがて、漆黒の闇は群青色の空になり、徐々に空は青紫になり、赤紫になり、朝日が見えてくる。その頃には木々が美しい景色が広がっていたり、徐々に街並みが見えてくる。
そんな景色を眺めながら、ふるさとに帰る者は故郷を思い、都会から逃げるように乗った者は敗北感を感じる。そこに乗客一人一人のドラマを演出する。
決して設備は一流じゃない。でも、それがまた、旅をドラマチックに演出する名脇役となる。
そんな夜汽車がまた一つ消えようとしている。今度の帰省にゆっくりとムーンライトを眺めながら、ムーンライトに乗るのもまた良いのではないだろうか。